「ヴァイオリンを弾くことも、作業服だって着こなせる」 今季を象徴するビジャレアル戦での輝き“日本の至宝”は脇役にもなれる

今季の久保建英は成長著しい photo/Getty images

久保建英の成長は止まらないようだ

日本代表久保建英が所属するレアル・ソシエダは10日にビジャレアルと対戦。久保は古巣対戦となり、33分ブライス・メンデスのゴールでリードを得たラ・レアルが勝ち点3を獲得した。ラ・レアルはこれで5連勝と絶好調を維持している。

ビジャレアル戦では得点やアシストこそなかった久保だが、ラ・リーガの強豪でスタメンを確保している。リーグ戦では全8試合に出場しており、プレイタイム546分はチームで7番目に多い数字だ。ELでもその存在感は変わらず全3試合で起用されている。その中で2ゴール3アシストを記録しており、今季の序盤戦は百点満点の出来ではないだろうか。

「スタミナが落ち始めたタイミングでも忍耐力を生かして輝き続ける。久保は生まれながらの労働者で、ヴァイオリンを弾くことも、作業服だって着こなせる。彼は優秀だから」

西『noticias de Gipuzkoa』は久保の忍耐力を称賛している。近年の久保は攻撃面で一瞬の輝きを見せることはできるが、プレイ強度に問題があると指摘されていた。そのためゲームから消えていると批判されることも。しかしラ・レアルでは夏の加入後からアクセル全開で戦っており、9月には日本代表戦にも出た。疲労はあるはずだが、アグレッシブなパフォーマンスを続けており、チームを支えている。怪我もなく計算できる選手で、今季の久保の成長を言語化するなら忍耐力がピッタリだ。

「ヴァイオリンを弾くことも、作業服だって着こなせる」

この一文からも久保の成長が見られる。これまでの久保が輝く場面でいえばゴール前が基本だったが、今では守備でも強度の高さを見せることができ、リーグ戦でのプレッシング数111回はメンデス(157回)に次ぐ素晴らしい数字だ。アタッキングサードで輝く主役だけでなく、守備面やボールを持っていないタイミングでも存在感を披露できる脇役としてのクオリティも高まっており、このままの活躍を継続できればどこまで評価が伸びるのか予想がつかない。

以前まではゲームから消えていることを批判されていた久保だが、今季そういった傾向は見られない。ボールを持てば自慢のアイデアと技術で相手を翻弄し、オフザボールであれば動き出しや守備で貢献する。2つの場面で輝ける働き蜂が今の久保であり、イマノル・アルグアシル監督から重宝される理由がよくわかる(データは『FBREF』より)。

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