30歳迎えたネイマールは“大人の選手”になった? 改善される守備意識とドリブルの質

ブラジル代表のエース・ネイマール photo/Getty Images

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チームのことを考えるリーダーに

パリ・サンジェルマンへ移籍してからは評価を落とすシーズンもあったが、今季のネイマールは一味違う。30歳を迎えたブラジルの王様は開幕から超ハイレベルのパフォーマンスを継続しており、キリアン・ムバッペやリオネル・メッシにも負けないパリの主役となっている。

仏『Le Parisien』によると、ネイマールは30歳を迎えてより完成した選手になったと思うと手応えを口にしている。

「今は選手として完成されてきたと感じているんだ。守備もできるし、得点を奪って決定的なパスも出す。もちろん自分の守備が凄くないことは分かっているけど、最低でもチームメイトを助けるためにベストは尽くせる。チャンピオンズリーグを制するためにもチームはハードワークを学ばなければならない。相手にスペースを与えず、失点しないためにね。レベルの高い試合では当然のことだよ」
ネイマールの口から守備に関する話が出てくるのは意外でもあるが、年齢を重ねてサッカー観が変わったところはあるのだろう。昨季もネイマールは53回タックルを試みており、これはパリへ移籍してからでは最多の数字だった。

また、ドリブルに関する数字も変わってきている。派手なドリブルこそネイマール最大の魅力で、パリ加入初年度の2017-18シーズンはリーグ戦で1試合平均10.6回もドリブルにトライしている。その後も2019‐20シーズン(9.9回)、2020-21シーズン(8.6回)など、とにかく仕掛ける回数が多い。

しかし、失敗も目立つ。2017-18シーズンは1試合平均ドリブル失敗数が3.5回あり、2019-20シーズンは3.9回、2020-21シーズンは3.8回を記録。ドリブルの失敗はボールロストを意味し、それだけカウンターアタックを受けるリスクも大きくなる。そのカバーに走るのは中盤と最終ラインの選手だ。

ネイマールも効率の悪さに気付いたのか、今季は1試合平均のドリブル回数がピーク時の半分ほどとなる4.5回に減少。1試合平均失敗数も2.7回まで減っている。これもネイマールがチームプレイを強く意識している証と言えるのではないか。

パリでのチャンピオンズリーグ制覇、そしてブラジル代表でのワールドカップ制覇と、2022年のネイマールは明らかに本気度が違う。ワールドカップまで約1カ月。ブラジルの王様はチームを勝利へ導くべく最適なプレイを選択していくことだろう(データは『WhoScored』より)。

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