“守備嫌い”から世界で5本の指に入るSBへ 成長続けるカンセロの現在地

攻守両面でクオリティを高めるジョアン・カンセロ photo/Getty images

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嫌いだった守備も上手くなっている

万全の状態であればマンチェスター・シティのサイドバックは右にカイル・ウォーカー、左にジョアン・カンセロが入る。ウォーカーは並外れたスピードと自慢のフィジカルを生かした守備が強みで、カンセロはDF離れしたテクニックとポジショニングで相手を翻弄する攻撃が武器となる。

カンセロはゴール・アシストと目に見える数字も優秀で、昨季は52試合に出場して3ゴール10アシストを記録。今季は14試合で2ゴール5アシストとゴール数は早くも昨季に追い付きそうだ。

そんなカンセロだが、武器となる攻撃面とは反対に守備面では酷評されることが多い。クロス対応、軽率なタックルなどなど挙げればキリがない。だがアタッカーと対峙する際の守備力は年々向上しており、データサイト『SofaScore』によると、タックル成功数(18回)、インターセプト数(14回)、地上戦でのデュエル勝利数(47回)の3つの分野はカンセロがシティでトップのスタッツを残している。
守備力は試合の中の様々なシーンで試されることになるが、相手と一対一で対峙する際の守備に関してそれほどカンセロは悪くない。むしろ優秀だ。

「ジョアン(カンセロ)はボールをプレイしている時が一番幸せなんだ。若い頃ボールを持たない守備の場面ではプレイしたがらなかった」

英『The Guardian』ではエウベル・クリストヴァン氏がベンフィカユース時代のカンセロについて語っている。当時は守備が嫌いな選手だったようだが、SBとして大成すると信じ守備的なポジションにコンバートしたようだ。

この判断は正解だった。SBというポジションは監督によって求められるタスクが異なり、とくにシティを率いるペップの要求は特殊だ。守備、組み立て、攻撃とやるべきことが多く、ペップ・シティの中でも難易度が高いポジションだといえる。カンセロはそのポジションを両サイドでこなすことができ、ここ最近は左SBとして絶対的な地位を確立している。

同メディアではケビン・デ・ブライネと並んで重要な存在と称しているが、決して大げさな表現ではない。毎試合起用できる回復力の高さ、怪我の少なさに加え、ピッチに立てば攻撃面で大きな存在感を放つ。嫌いだった守備も年々クオリティが上がっており、英『90min』が独自に選出するプレミアリーグDFのパワーランキングではアーセナルのウィリアム・サリバに続く2位と高く評価されている。

ウォーカー不在のためサイドは分からないが、17日のリヴァプール戦ではおそらく先発として出場することになる。攻守両面で高いクオリティが求められる一戦であり、カンセロは主役となることができるのだろうか。

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