まさかのハンドでPK与えるピンチも…… 最後は自らの足で優勝を決定づけた甲府在籍20年目のレジェンド

優勝に導いた山本 photo/Getty Images

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山本のキックで優勝を決める

出場の瞬間は突然やってきた。3バックの一角に入っていた浦上仁騎が足をつって途中交代。1守備の大黒柱だった男は、112分に大舞台のピッチに足を踏み入れた。

PK戦も頭をちらつかせる延長後半の117分には、甲府に絶体絶命のピンチが訪れる。ペナルティエリア内でハンドの判定となってしまい、広島にPKを与える。その手にボールを触れてしまった選手が山本だった。

チームを支え続けた男のまさかの事態に山本自身も絶望したことだろう。J1クラブにジャイアントキリングをし続けたチームだったが、最後には決勝の舞台で万事休すとも思われたなか、山本とともに甲府を支えた在籍10年目の守護神・河田晃兵が好セーブを見せる。大ピンチもなんとか防ぎ切り、逆転弾を許さず。
そして試合はそのまま終了し、1-1でPK戦へと突入する。甲府が全員成功する中で、広島は川村拓夢のキックを河田がストップ。4-4で迎えた甲府5人目のキッカーは山本だった。チームを支え続けた男の右足にすべてが懸かっていた。それでも過去にもプレイスキッカーを務めていた42歳の大ベテランは、そのプレッシャーをものともせず。落ち着いて決め切り、チームの歴史に新たな1ページを刻んだ。

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