カンセロの守備対応を“ごまかす”のはもう無理? ククレジャを逃したのは悪手。層が薄すぎるシティのSB事情

モハメド・サラーへの守備対応でミスが見られたジョアン・カンセロ photo/Getty images

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ウォーカー次第では冬に動きがあるだろう

マンチェスター・シティは今夏の移籍市場でアーリング・ハーランド、カルヴィン・フィリップス、シュテファン・オルテガ、セルヒオ・ゴメス、マヌエル・アカンジの5選手を獲得した。ハーランドは不在だった純粋な9番、フィリップスはフェルナンジーニョの後釜とそれぞれ明確な役割があり、夏の移籍市場は有意義なものとなった。

しかし失敗が一つあり、それがマルク・ククレジャとの交渉だ。当時ブライトンに所属していたククレジャをシティは獲得したいと考えており、夏の移籍市場でオファーを提示した。だがオレクサンドル・ジンチェンコの移籍やネイサン・アケの去就が不透明になったこともあって動きが遅れ、最終的にククレジャはチェルシーに移籍した。シティはブライトンが要求するククレジャの移籍金が高額すぎるとして手を引いたようだ。そこでアンデルレヒトからゴメスを獲得している。

カイル・ウォーカーの負傷など当時では予想できないこともあるが、ククレジャを逃したのは損失の大きい失敗かもしれない。
そもそもシティはサイドバックの頭数が少なく、万全の状態でもジョアン・カンセロ、ウォーカー、ゴメスの3人しかいない。カンセロは怪我なくシーズンを通して計算できるが、ウォーカーは年齢も影響か鉄人ぶりが薄れてきている。実際に現時点では負傷しリヴァプール戦を欠場している。ゴメスは即戦力というよりは今後に期待の若手枠として獲得されており、直近のリヴァプール戦のようなビッグマッチで起用するのは怖い。そうなるとSBがカンセロしかいない状況になってしまうのだ。

カンセロは怪我の少ない選手であり、長いシーズンを通して計算できる。が、リヴァプール戦のように致命的なミスからピンチを招いてしまうことが多く、ビッグマッチでの評価は難しい。

であればベンチスタートにするなど選択肢はあるが、シティにはカンセロをベンチに下げられるほどの人材がSBにはいない。ウォーカーが健在であれば右SBにウォーカー、左SBにアケとやり繰りは出来たかもしれないが、ウォーカーはいない。

これからシティがどのように移籍市場で動くのか分からないが、カンセロのビッグマッチでの守備対応をごまかすことができないのなら、新たなSBの獲得は必須になる。シティはククレジャから手を引いたようにクラブが考える価値以上の選手を獲得することはないが、移籍市場での優秀なSB、とくにペップが求めるSBは貴重な存在であり、その点についても柔軟に考える必要がありそうだ。

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