ペップは考えすぎてしまった?配置から見る“奇策”の痕跡 なぜシティの攻撃はチグハグだったのか

マンチェスター・シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ photo/Getty images

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アーセナルの無敗優勝の記録はまた守られることに

マンチェスター・シティは17日にアウェイでリヴァプールと対戦。前半は0-0と白熱する戦いを見せたが、後半は徐々にオープンな展開となり、ロングカウンターをモハメド・サラーが仕留めリヴァプールが勝利を収めた。

シティはこれが今季リーグ初の黒星だ。アーリング・ハーランドの加入で攻撃力が上がり、リヴァプール相手に複数得点が期待されたが、アリソン・ベッカーの守るゴールネットを揺らすことはできなかった。

この一戦では前述したロングカウンターが勝負を決め、そこでミスをしてしまったジョアン・カンセロに批判が集まっている。確かにあのプレイは軽率であり、この反省を生かしてプレイの精度を上げてほしい。
カンセロのミスが大きく取り上げられているが、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラの采配にも疑問が残る。このゲームでは従来の[4-3-3]ではなく[3-4-3]で臨んでおり、右ウイングバックにカンセロ、左ウイングバックにフィル・フォーデンが起用された。おそらくカンセロとサラーを対峙させる回数を減らすための案だといえるが、これがイマイチだった。とくに右サイドは機能不全に陥り、カンセロが単独で突破しなければならない場面が多く、そのたびにアンドリュー・ロバートソンが前に立ちはだかる。攻撃力に定評のあるカンセロだが、味方とのコンビネーションから違いを生む選手であり、単独で何かをすることは難しかった。また本来は右サイドの選手だが、シティでは左サイドで起用されることが多く、感覚が鈍っていたのかもしれない。

攻撃のカタチを変えたことで上手くハーランドにボールが入らなかったことも敗戦の原因だ。もちろんリヴァプールのフィルジル・ファン・ダイクやジョー・ゴメスのパフォーマンスが素晴らしく彼らを称賛すべきだが、シティが普段通り攻撃していればまた未来は変わっていたかもしれない。とくにサイドアタッカーと味方との距離感が遠く、ハーランドのマークを引き剥がすことができなかった。

奇策というほどではないのかもしれないが、ペップの普段やらないことを大一番で試す癖は消えていない。近年はビッグマッチでも定石通りの戦い方をしていたが、以前のペップに戻ってしまったのか。

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