ミランがアウェイで4発快勝 ディナモ・ザグレブを下して9年ぶりのCL決勝T進出を大きく手繰り寄せる

この試合でゴールを決めたレオンとジルー photo/Getty Images

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混戦となっているグループE

一足先に行われたレッドブル・ザルツブルク対チェルシーの試合は1-2でチェルシーが勝利。チャンピオンズリーグ・グループEはプレミアリーグの雄が頭一つ抜け出した。この2チームの後塵を拝するディナモ・ザグレブとミランは1勝1分2敗の勝ち点4で並んでいるが、今回の試合で勝利できれば勝ち点6の2位ザルツブルクを追い越すことができる。サン・シーロで行われた前回の対戦は3-1でミランが勝利していたが、その時とは重みの違う一戦となった。
 
試合開始直後の4分、いきなりディナモ・ザグレブに不穏な空気が流れる。味方の不用意なバックパスを滑りこみながらクリアしたGKドミニク・リヴァコヴィッチが、左足首のあたりを押さえながら倒れこんでしまう。しかし、チームスタッフの状態確認が終わると彼はプレイを続行。大事には至らなかったようで、その後は軽快な動きを見せた。
 
結果的に前半のシュート数はミランが6本上回ったが、先にゴールの匂いを感じさせたのはディナモ・ザグレブだった。17分、FWミスラフ・オルシッチが左サイドからクロスを送ると、逆サイドにいたDFサデギ・モハラミがヘディングで中央へ折り返す。このボールはGKチプリアン・タタルシャヌの横を通り抜けてゴールへと向かっていったが、タタルシャヌのカバーに回ったDFマッテオ・ガッビアがヘディングでこれをクリアした。
 
その後、先にチャンスをものにしたのはミランだった。39分にMFイスマエル・ベナセルが倒され、右サイド寄りの位置でフリーキックを得ると、キッカーを務めたMFサンドロ・トナーリがクロスを送る。これをガッビアがダイビングヘッドで合わせ、前半のうちにミランが先制に成功した。
 
後半に入ってからもミランの勢いは止まらなかった。後半開始直後、DFテオ・エルナンデスが相手からボールを奪取するとそのまま左サイドを駆け上がり、最後はFWチャールズ・デ・ケテラエルにスルーパス。彼のシュートは相手DFにブロックされた。続く49分、FWラファエル・レオンがドリブルで切り込むと、ミスタッチがそのまま突破に繋がる幸運もあり、するするとボックス内に侵入。キーパーとの1対1を冷静に制し、ミランがリードを2点に広げた。
 
ここで守備強度を上げたいと考えたのか、先に動いたのはミランのステファノ・ピオリ監督だった。52分、デ・ケテラエルを下げてMFラデ・クルニッチを投入。彼はそのままデ・ケテラエルが務めていたトップ下に入った。
 
58分、今度は2点差をひっくり返したいディナモ・ザグレブが一気に交代カードを3枚切る。前線の選手を代えて攻勢を強めようとした。しかし、その直後にMFロベルト・リュビチッチがトナーリをエリア内で倒してしまい、ディナモ・ザグレブがミランにPKを献上。これをジルーが落ち着いて決め、スコアを3点差に広げた。
 
69分には試合の行方を決する4ゴール目がミランに転がり込む。左サイドを突破したレオンがクロスを上げると、中で待っていたジルーはこれを空振り。ところが、戻りながらの守備となったリュビチッチの胸にこのボールが当たり、そのままゴールへと吸い込まれてしまった。
 
試合が決まってからもミランは攻撃の手を緩めず。残る20分もこれまでと同様にディナモ・ザグレブゴールに迫り、5点目の可能性も何度か感じさせた。そして時計が90分を回ると、主審はアディショナルタイムを迎えることなく試合終了のホイッスルを鳴らしている。
 
ミランとしては、セットプレイから効率良く先制点を奪えたことが最大の勝因だったと言えるだろう。ディナモ・ザグレブも随所に鋭い攻撃を見せていたが、自力の差を感じさせる内容となった。
 
この結果により、ミランはグループ2位に浮上した。次は3位に転落したザルツブルクとの対戦となるが、ここで引き分け以上なら9年ぶりのCL決勝トーナメント進出が決まる。今回と同様のパフォーマンスを発揮できれば、十分達成可能なはずだ。
 
一方のディナモ・ザグレブはせめて3位でグループステージを終えるため、次のチェルシー戦でなんとか勝利をあげたいところ。この1週間でどれだけ対策を練ることができるか。
 
ディナモ・ザグレブ 0-4 ミラン

[得点者]
39分 マッテオ・ガッビア(ミラン)
49分 ラファエル・レオン(ミラン)
59分 PKオリヴィエ・ジルー(ミラン)
69分 OGロベルト・リュビチッチ(ディナモ・ザグレブ)

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