W杯史上最高の大逆転劇? ベルギーに敗れた屈辱の4年半前からサムライブルーは進化したか

惜しくもベスト8入りを逃したロシア大会 photo/Getty Images

世界が今も忘れられないベルギーとの激闘

この4年半で日本サッカー界は前へ進んだのか。迫るワールドカップ・カタール大会はそれを証明する場となる。

ワールドカップ開幕まで30日を切り、FIFA公式サイトでは『ワールドカップ最高の瞬間BEST100』を連日紹介している。その27位に選ばれたのが4年前のロシア大会・ベスト16の日本VSベルギーだ。

原口元気と乾貴士のゴールで日本が先に2点をリードしたものの、その後ベルギーの猛反撃に遭って3失点。初のベスト8を目前にしながら、そのチャンスは手の中からこぼれ落ちた。

「ワールドカップ史上最高の逆転劇だろうか。こうした議論は個人の主観にもよるが、ベスト16の日本VSベルギーは大会で最もドラマチックな一戦だったと言える。赤い悪魔は0-2とリードされたところから、それほど有名ではない黄金世代の選手たちの力で不可能に思えたミッションを達成した」

同サイトはこう振り返っているが、2-2で迎えた後半アディショナルタイムに喰らったナセル・シャドリのゴールは日本のサッカーファン全員の心を砕く一撃だった。日本のコーナーキックのボールを奪われたところからのカウンターアタックで、当時世界トップクラスと評価されていたベルギーの底力を見せられてしまった。

続けて同サイトは、試合後のDF吉田麻也のコメントも紹介している。

「勝利を手中にしながら、逃してしまった。メンタルに脆さがあったのかもしれない。それでも、このレベルの経験値が不足していたのか、よく分からない。僕たちはあまりにナイーブで脆かった」

吉田はカタール大会でもメンバーに入るはずで、GK川島永嗣、DF長友佑都や酒井宏樹、MF柴崎岳、原口元気など当時のベルギー戦を知る者もいる。この4年半で守備面は個の力も経験値もアップしているように思えるが、それを発揮できるのか。

最終ラインでは冨安健洋、さらに板倉滉が間に合えば、層は確実に4年半前を超える。アンカーの遠藤航もロシア大会から成長し、ブンデスリーガでも戦えるデュエルマスターとなった。今の守備陣ならば、リードさえ奪えば強豪相手でも守り切る力があるのではないかと期待してしまう。

今回はグループステージでドイツ、スペインと同居しており、両チーム相手に大量得点は考えにくい。勝つとしてもギリギリの戦いとなるはずで、4年前の教訓を活かす瞬間がどこかでくるはずだ。今回はギリギリの勝負をモノにできるのか。難しいグループではあるが、目指すは4年半前に逃した史上初のベスト8だ。

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