テン・ハーグ監督がその手腕を存分に発揮 ガルナチョ起用、新オプション模索など、収穫が多かったマンUのELシェリフ戦

今季からマンUの指揮とっているテン・ハーグ監督 photo/Getty Images

チームの可能性を広げることに成功した

28日、ヨーロッパリーグのシェリフ・ティラスポリ戦で3-0の勝利を収めたマンチェスター・ユナイテッド。これによりグループ2位以内を確定させることができたが、それ以外にもさまざまな収穫がある一戦となった。
 
まずはなんと言ってもFWクリスティアーノ・ロナウドの復帰だ。20日のトッテナム戦で試合終了前にロッカールームへ引き上げてしまったことが波紋を呼び、23日のチェルシー戦でメンバー外となっていた。しかし、今回のシェリフ戦では早速メンバー復帰を果たしており、エリック・テン・ハーグ監督はいきなり彼をセンターフォワードで先発起用。81分には今季公式戦3ゴール目を記録している。
 
そして、下部組織出身の18歳FWアレハンドロ・ガルナチョもこの試合でトップチーム初先発を飾っている。本職の左ウイングとして出場すると、積極的な仕掛けを何度も見せ、79分にお役御免となった際には観客から拍手が送られている。
 
DFハリー・マグワイアとMFドニー・ファン・デ・ベークが復帰したことも喜ばしいニュースとなった。
 
マグワイアは9月下旬の代表ウィーク中に負傷してしまい、それ以降は離脱が続いていた。ところが今回のシェリフ戦ではDFリサンドロ・マルティネスに代わって後半から出場。現在マンUはDFラファエル・ヴァランが負傷したことでCBの枚数に不安を抱えており、今後はマグワイアのプレイにも期待がかかる。
 
ファン・デ・ベークも負傷離脱していたことは同じだが、離脱期間はマグワイアより長かった。最後にメンバー入りしていたのは9月2日のレスター・シティ戦であり、今回のシェリフ戦で約2ヵ月ぶりの復帰。79分から途中出場し、トップ下の位置でプレイした。
 
テン・ハーグ監督の采配にも目を見張るべき点があった。彼は後半からFWアントニーに代えてFWマーカス・ラッシュフォードを起用。トップ下にいたMFブルーノ・フェルナンデスを右サイドに移動させ、ラッシュフォードをトップ下に配置している。
 
63分には、右サイドバックのDFディオゴ・ダロトに代えてDFルーク・ショーを投入。ショーはいつもの左SBに入り、左SBを務めていたDFタイレル・マラシアが右に回る形となった。
 
ラッシュフォードのトップ下起用とマラシアの右SB起用はこれが始めてではない。ラッシュフォードのトップ下に関してはCFを務めるロナウドのサポート役を増やすため、マラシアに関してはダロトに続く右SBのバックアッパーとしても考えている旨をテン・ハーグ監督は以前に明かしていた。前半のうちに1点をリードできたこともあり、これを再び試す余裕が生まれたのかもしれない。
 
今回のシェリフ戦では、処分明けのロナウド、若手有望株、負傷明けの選手などを上手く起用できた感があり、以前から模索していたオプションの完成度を上げることもできた。テン・ハーグ監督の手腕が存分に発揮された試合だったと言えるだろう。

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