ウィルシャーもW杯で見たかった 夢と消えた《イングランドMF4人衆》の共演

チェルシーでの飛躍が期待されたバークリー photo/Getty Images

今の若手にも負けないポテンシャルはあった

現在のイングランド代表は優れた若手を多数抱える新・黄金世代とも言われるが、本来ならここに入るべきだった中堅世代の実力者たちがいる。

トッテナムでハリー・ケインと縦のコンビを形成し、代表&クラブで長くそのコンビを継続していくと予想されたMFデル・アリはその代表例だろう。4年前のロシア大会でも主力の1人だったが、26歳を迎えたデル・アリのキャリアは驚く速さで下降してしまった。エヴァートンを挟んで現在はトルコのベシクタシュでプレイしており、そこでの評価も高くない。カタール大会のメンバーに入れる可能性はゼロに近い。

28歳のMFロス・バークリーも、本来は今がピークの世代だ。エヴァートンでプレイしていた2015‐16シーズンはプレミアリーグで8ゴール奪っており、デル・アリと同じく得点を奪えるセントラルMFと期待された。そのパンチ力からフランク・ランパードとの比較もあったほどだ。

移籍したチェルシーではそのランパードが背負った8番を託されるなど、2018年までは順調だった。しかしチェルシーで結果を残せず、今夏にはフランスのニースへ完全移籍している。

ウィルシャーは代表の主役になれた photo/Getty Images

怪我に泣いた選手では29歳のリヴァプールMFアレックス・オックスレイド・チェンバレン、すでに現役を引退した30歳のMFジャック・ウィルシャーが挙げられる。両者とも若くから注目されていた天才肌の選手で、アーセナル時代はチェンバレンもスピードとキレがあった。

ウィルシャーはそれをも上回る特大級の才能を秘めており、現イングランド代表のフィル・フォーデンやメイソン・マウントといった売出し中のヤングスターにも負けない実力があった。キャリアが順調に進んでいれば、今年のカタール大会はウィルシャーにとって集大成の大会となっていたに違いない。

このMF4人衆は抜群の才能を備えていたが、カタール大会へ向かえる選手は1人もいないだろう。今の若手世代も期待は大きいが、この中堅世代が伸び悩んだのはショックだった。

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