“賞金総額約3200万円”、ビッグクラブは主力を休ませる カラバオカップの価値とは

若手主体でダービー・カウンティを 撃破したリヴァプール photo/Getty images

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新たな試みが必要になる

イングランドのクラブは基本的に3つのコンペティションを戦うことになる。トップカテゴリーのクラブであればプレミアリーグ、FAカップ、カラバオカップの3つだ。

基本的に他リーグはリーグ戦とリーグカップの2つのコンペティションを戦うのだが、イングランドは数が多い。そのため選手とクラブは過密日程に悩まされている。

ワールドカップ・カタール大会が11月下旬からスタートする今季は例年にも増して日程が厳しい。すでにCL、ELグループステージは消化されており、負傷者の数も多い。
ここまで試合が多くなると選手たちの疲労を考慮して監督はどこかで休みを取ろうとする。カラバオカップは主力選手にとって休みとなることが多い。

カラバオカップ3回戦から登場したリヴァプールは10日にダービー・カウンティと対戦した。PK戦の末、勝利したのだが、そのメンバーはプレミアリーグで出番のない若手だらけだったのだ。勝ったからいいものの、もし負けていれば「勝つつもりはあったのか」とユルゲン・クロップ監督はメディアから批判されていたことだろう。

なぜここまでカラバオカップは重要視されていないのか、それは賞金と対戦形式にある。英『Mirror』によると、昨季チェルシーを破りカラバオカップを制したリヴァプールが受け取った優勝賞金はわずか10万ポンドだったという。賞金総額は20万ポンド(日本円にして約3200万円)で、これはFAカップの賞金の30分の1以下に過ぎない数字である。また準決勝はホーム&アウェイの2試合を戦う必要があり、疲労がさらに増すことに。

英『THE SPORTSMAN』はこのように人気のないカラバオカップをどのように復活させるのか話し合っており、そこで出た案がスコットランドのチームの参加を認めるというものだ。レンジャーズやセルティックがイングランドの名門クラブと対戦するのは目新しく魅力的だ。

過密日程の原因の1つとなってしまっているカラバオカップ。今後人気を復活させるため上記のような試みが行われるのだろうか。

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