ハイプレスは森保ジャパンの武器となり得る? “強度・連動不足”散見された日本代表の前線からの守備

森保一監督はドイツ戦をどのようにシミュレーションしているのだろうか photo/Getty images

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ドイツ・スペインはハイプレスを簡単にかわしてくる

日本代表は9月の親善試合アメリカ戦で大きな収穫を得た。それがハイプレス・ショートカウンターの戦術だ。前田大然を最前線に配置し、スピードで相手のビルドアップを圧倒する。そのアメリカ戦はこのカタチが何度も決まり、チームを勝利に導いた。

しかし17日に行われたカナダ戦でハイプレス・ショートカウンターの戦術は思うように機能しなかった。

ハイプレスが機能した場面もあり、そこからチャンスを作ることもできていたが、それ以上にプレッシングをかわされ前進を許す場面が多かった。
53分の場面が分かりやすく、上田綺世、相馬勇紀がプレッシングをかけるも間延びした中盤を使われ、ディフェンスラインの裏を取られてしまった。その攻撃には守備陣が対応して事なきを得たが、相手がスペインやドイツであれば致命傷になりかねない。

ハイプレスが機能しなかった理由について主力組が不在だったことが考えられる。とくに前田の不在は大きく、アメリカ戦ほど相手の脅威になれていない。

守備の形が人に依存するのであれば、引き際が重要になる。ハイプレスを継続するのか、やめて自陣にブロックを敷いてカウンターからゴールを目指すのか、今のサムライブルーはそういった点が曖昧過ぎる。

吉田麻也を終盤に投入して日本代表は3バックに形を変えた。ドイツ戦やスペイン戦はもう少し早いタイミングで、守備の形を変えるのも悪くない。それこそハイプレスが裏目に出ていると感じたらすぐに移行してもいい。ハイプレスは強力な戦術ではあるが、デメリットも多い。カウンターを防ぐのは守備陣のパフォーマンスに依存することになり、冨安が万全でなければなおさらだ。

カナダ戦では何度も危うい場面を作ってしまった日本代表のハイプレス。前田がピッチにいなかった影響も多いが、このままドイツ戦に臨むのは危険すぎる。

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