「バックパス」がSNS上でトレンド入り 響いた中山雄太の不在。アクシデントが日本に牙を剥く

後方により良いパサーがいればもっと三笘薫が輝けたはずだ photo/Getty images

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冨安は万全の状態ではなかったのだろう

FIFAワールドカップ・カタール大会を戦う日本はグループステージ2戦目でコスタリカと対戦。

序盤から日本ペースとなり、試合後のボール支配率は57%とかなり高いものとなった。しかし、日本はコスタリカの堅守を崩すことはできない。ボールは持てるが、効果的なビルドアップはできず、横パスやバックパスが目立つ試合となった。SNS上では「バックパス」がトレンド入りしており、見ていた日本サポーターも気になっていたようだ。

とくに気になったのは左サイドバック、3バックの左の配置された選手のパスのアイデアと精度だ。前半の日本は[4-5-1]となっており、左SBには長友佑都が入った。長友は初戦ドイツ戦のように日本が守勢に回る展開であれば、守備強度高く貢献できるが、コスタリカ戦のようにボールを持った展開でパスやドリブルから違いを見せられる選手ではない。
後半日本は長友を下げ、伊藤洋輝をピッチに送り出した。システムも3バックに変わっており、日本の最終ラインは右から板倉滉、吉田麻也、伊藤となった。

この伊藤はドイツのシュツットガルトでプレイしている守備者で、4バックや左SBで起用されることが多い。日本でも左SBで使われており、このコスタリカ戦では3バックの左としてピッチに立った。左足から放たれる高精度のロングフィードを武器としている選手だが、この試合ではパスで味方を生かせない。横パス、バックパスが目立っており、縦関係となった三笘薫といい関係を築くことができなかった。

たらればではあるが、大会前に離脱してしまった中山雄太が健在であればまた話は違ったかもしれない。イングランドのハダースフィールドでプレイする選手で、左SBでは1番手の地位を築く。左足から精度の高いパスを供給することができ、アジア最終予選ではクロスからゴールをお膳立てしている。長友を守備の人とするならこの中山は攻撃の人であり、中山が健在であればこのコスタリカの先発が長友ではなく中山であった可能性がある。

ドイツ戦では途中から投入された冨安健洋の不在も痛かった。ベンチ入りはしていたが、ドイツ戦後別メニューが続いており、万全ではなかったのだろう。

冨安はCB、右SB、左SBと最終ラインであればどのポジションでもプレイすることが可能であり、守備での強度、空中戦での強さ、ビルドアップでの貢献度と現代的なDFに求められているすべてを兼ね備えている選手だ。怪我が多く稼働率の低さが唯一の弱点であり、万全の冨安をこの試合で起用することができればもっといい形でMFやFWにボールを届けていたことだろう。

コスタリカに敗れた理由は様々だが、アクシデントが日本に大きな影響を与えている。攻める試合は守備陣がどれだけ前線をパスでサポートできるかがカギであり、このゲームではサポートすることができなかった。

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