[W杯マッチ27]ノーゴール判定から取り戻した本来の強さ 開始2分に先制被弾も一挙4得点でクロアチアがグループF首位浮上

今大会初白星を手にしたクロアチア photo/Getty Images

クロアチアが逆転勝利を収める

MATCH 27 グループF 第2節 
2022年11月27日 19:00キックオフ(会場:ハリファ国際スタジアム)
クロアチア 4-1 カナダ

今大会初勝利が欲しい両者の一戦は、互いの積極的な姿勢が色濃く出た内容となった。序盤からいい流れを見せたのはカナダだ。前節ベルギー相手に連動したサッカーで追いつめるも、ゴールが奪えずに0-1で敗れたチームは開始早々から先制ゴールを奪った。

GKボージャンのフィードから右サイドのブキャナンがボールを保持すると、右足で中央にクロスを上げる。タイミングよく合わせたデイビスがヘディングシュートでゴールを記録。わずか2分でカナダが1点をリードする。

まさかの先制弾を食らったクロアチアは、最終ラインからボールを回して試合を落ち着かせる。互いに主導権を奪い合う一進一退の攻防が続くと迎えた26分、ブロゾビッチ、リバヤとつなぎ最後はクラマリッチが中央右からシュートを放つ。ボールはゴールネットを揺らすものの、オフサイドの判定でノーゴールとなる。

それでもこの攻撃で勢いを増したクロアチアは、さらに畳みかけていく。モドリッチやブロゾビッチといった技術の高い中盤の選手たちがボールを保持して組み立てていくと、完全にペースはクロアチアに。36分にはペリシッチのスルーパスに抜け出したクラマリッチがシュートを決めて同点に追いついた。

さらに前半のうちにクロアチアが逆転弾を決めてみせる。ユラノビッチがクラマリッチとのワンツーでペナルティエリア手前まで運ぶと、リバヤにパスを送る。ボールを受けたリバヤが右足を振り抜くと、ゴール左に突き刺さり、44分に逆転した。

2ゴールを決めたクラマリッチ photo/Getty Images

後半にさらに突き放す

こうなると前回大会・準優勝国の勢いは止まらない。70分には左サイドからペリシッチがクロスを上げると、ファーサイドで待っていたクラマリッチが巧みに守備をかわして豪快に左足を振り抜いて追加点。後半アディショナルタイムにもオルシッチが相手DFのミスからボールを奪うと、完全に相手GKと1対1の場面になる。GKが飛び出したところに右にいたマイェルへパス。マイェルは無人のゴールにシュートを決めて4-1と大きく差を広げ、試合終了のホイッスルが吹かれた。

前半は劣勢になり、早々に失点を喫したクロアチアだったが、最後は実力差をまざまざと見せつけて勝利を手にした。前回大会の準優勝を知る男たちが多く残り、実力者たちが名を連ねるクロアチアはカナダの挑戦を跳ね返して勝点3を奪った。

4年間でチームのメンバー自体はそこまで変わっていないものの、4年間で培ってきた底力がクロアチアの強さを支えているのだ。この試合で1勝1分としたクロアチアは、モロッコに敗れたベルギーを抜いて首位に浮上。次節はそのベルギーとの大一番。前回大会3位の強豪国を退けて決勝トーナメント進出を決めたい。

デイビスが先制点を奪うものの photo/Getty Images

[スコア]
クロアチア 4-1 カナダ

[得点者]
クロアチア
36分 アンドレイ・クラマリッチ
44分 マルコ・リバヤ
70分 アンドレイ・クラマリッチ
90+4分 ロブロ・マイェル

カナダ
2分 アルフォンソ・デイビス

[ポゼッション]
クロアチア 39% カナダ 45% 中立 45%

[シュート数]
クロアチア 13 カナダ 8

[枠内シュート]
クロアチア 10 カナダ 2

[イエローカード]
クロアチア 2枚
デヤン・ロブレン
ルカ・モドリッチ

カナダ 2枚
タジョン・ブキャナン
カマル・ミラー

[レッドカード]
なし

クロアチア
フォーメーション : [4-3-3]

監督 : ズラトコ・ダリッチ

GK
ドミニク・リバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)

DF
デヤン・ロブレン(ゼニト・サンクトペテルブルク/ロシア)
ボルナ・ソサ(シュツットガルト/ドイツ)
ヨシュコ・グバルディオル(ライプツィヒ/ドイツ)
ヨシプ・ユラノビッチ(セルティック/スコットランド)

MF
マテオ・コバチッチ(チェルシー/イングランド)
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/スペイン)
マルセロ・ブロゾビッチ(インテル/イタリア)

FW
イヴァン・ペリシッチ(トッテナム/イングランド)
アンドレイ・クラマリッチ(ホッフェンハイム/ドイツ)
マルコ・リバヤ(ハイドゥク・スプリト)

交代出場
60分 マルコ・リバヤ→ブルーノ・ペトコヴィッチ(ディナモ・ザグレブ)
72分 アンドレイ・クラマリッチ→ニコラ・ブラシッチ(トリノ/イタリア)
86分 イヴァン・ペリシッチ→ミスラフ・オルシッチ(ディナモ・ザグレブ)
86分 マテオ・コバチッチ→ロブロ・マイェル(スタッド・レンヌ/フランス)
86分 ルカ・モドリッチ→マリオ・パシャリッチ(アタランタ/イタリア)

カナダ
フォーメーション : [4-4-2]

監督 : ジョン・ハードマン
GK
ミラン・ボージャン(レッドスター/セルビア)
DF
アリスター・ジョンストン(モントリオール)
カマル・ミラー(モントリオール)
スティーブン・ヴィトーリア(シャヴェス/ポルトガル)
リッチー・ラリア(トロント)

MF
ステファン・エウスタキオ(ポルト/ポルトガル)
タジョン・ブキャナン(クラブ・ブルージュ/ベルギー)
アティバ・ハッチンソン(ベシクタシュ/トルコ)
アルフォンソ・デイビス(バイエルン/ドイツ)

FW
サイル・ラリン(クラブ・ブルージュ/ベルギー)
ジョナサン・デイビッド(リール/フランス)

交代出場
46分 サイル・ラリン→ジョナサン・オソリオ(トロントFC)
46分 ステファン・エウスタキオ→イスマエル・コネ(モントリオール)
62分 リッチー・ラリア→デイビッド・ホイレット(レディング/イングランド)
72分 ジョナサン・デイビッド→ルーカス・カヴァリーニ(バンクーバー)
72分 アティバ・ハッチンソン→サム・アデクグベ(ハタイスポル/トルコ)

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