[W杯マッチ41]ルカクの決定力はどこへ。ベルギー、GSで散る 堅守光るクロアチアが2大会連続16強入り

ボールを収めるプレイでは力強さが光ったルカクだが、ボックス内での怖さはなかった photo/Getty images

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安定感あるクロアチアがベルギーを下した

MATCH 41 グループF 第3節 2022年12月1日 18:00キックオフ(会場:アフマド・ビン・アリ・スタジアム)
クロアチア 0-0 ベルギー

グループF第3節のカードは2018年のロシア大会・2位クロアチア対3位ベルギーの一戦となった。

クロアチアは第2節カナダ戦からメンバーの変更はなく同じ11人に。対するベルギーは敗れたモロッコ戦から4人を変えており、カラスコ、デンドンケル、メルテンス、トロサールがピッチに立つ。第2節後にはチームメイト間の不仲が取り沙汰されており、それがどう試合に影響するのだろうか。
そういった背景もあって心配されたベルギーだが、前線から積極的にプレッシングを仕掛け主導権を握りに行く。すると11分、さっそくベルギーにチャンスが訪れる。右サイドをムニエと共に攻略したメルテンスが中央にクロスを供給。待ち構えるカラスコとは少しズレてしまったが、ベルギーが悪くない立ち上がりを見せる。

しかし15分、そのカラスコが相手選手をボックス内で倒してしまい主審はPKのジャッジ。劣勢だったクロアチアが一気に形成を逆転するチャンスを得る。が、主審のアンソニー・テイラーはVARと交信し、オンフィールドレビューを実施。クロアチア側のオフサイドとなり、PKのジャッジは取り消されることに。

VARのチェックもあったことで一時試合が止まり、それと同時にベルギーの勢いが徐々に衰え始める。前線からのプレッシングも弱まり、徐々にクロアチアがボールを持てるようになった。

前半の半ば以降は両チームがチャンスを作る展開に。ベルギーは推進力のある攻撃でボールを運び、クロアチアはクロスからゴールに迫っていく。

若きグバルディオルが体を張ってベルギーの攻撃をシャットアウト photo/Getty images

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ベルギーは1点が遠くもどかしい

後半ベルギーが攻勢を強めるため、ルカクを投入する。この交代でベルギーの攻撃は活性化された。191cmと大柄なFWが前線に入ったことでラフなボールもルカクが収めてくれるため、簡単に攻撃を押し上げることができる。相手ボックス内でもその力強さは発揮されており、ルカクがボールを収めることで狭いバイタルエリアを押し広げる。

ただクロアチアも負けておらず、54分にブロゾビッチがペナルティエリア手前の中央から左足を振り抜く。クロアチアの猛攻は止まらず、続けて右サイドからモドリッチがシュート。どちらもクルトワに防がれたが、厚みのある攻撃で1分間に2つのチャンスを生み出す。

決勝トーナメント進出のためには勝ち点3が欲しいベルギーはアタッカーのT・アザール、ドクを投入。クロアチアを押し込んでいく。

後半半ばからはベルギーの時間に。途中出場のドクがサイドからドリブルで相手を揺さぶり、87分にはムニエ、ルカクが絡んでクロアチアゴールに迫る。さらに90分、90+2分にもルカクにチャンスが訪れるが、これも決められず。後半だけでルカクに4回ほどの得点チャンスがあったが、スコアは0-0から動かない。

その後タイムアップの笛が鳴り、スコアレスドローでクロアチアとベルギーの一戦は幕を閉じた。これで勝ち点1を得たクロアチアが計5ポイントとなり、モロッコに次ぐ2位で決勝トーナメントへ。ベルギーはグループステージ1勝1分1敗の計4ポイントで、カタールから姿を消すことになった。

メンバーを変えて挑んだベルギーは試合を通して悪くないパフォーマンスを披露したが、1点が遠かった。今回の3試合で挙げたゴールは初戦のカナダ戦のみであり、その後のモロッコ戦、クロアチア戦で得点を奪えていない。ルカクやE・アザールら黄金世代のピークはすでに過ぎており、今後のベルギーは難しい時期に突入することになるだろう。

対するクロアチアは得点こそなかったが、自慢の堅守で2大会連続となる16強入りを果たした。3試合で1失点は見事であり、ベルギー戦ではグバルディオルの活躍が光った。攻撃力に物足りなさはあるが、安定感は抜群で、今回はどこまで進むのだろうか。

安定感のあるクロアチアがベルギーに勝った photo/Getty images

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[スコア]
クロアチア 0-0 ベルギー

[得点者]
なし

[ポゼッション]
クロアチア 46% ベルギー 46% 中立 8%

[シュート数]
クロアチア 11 ベルギー 15

[枠内シュート]
クロアチア 4 ベルギー 4

[イエローカード]
ベルギー 1枚
レアンドロ・デンドンケル

[レッドカード]
なし

[ラインナップ]
クロアチア
フォーメーション : [4-3-3]

監督 : ズラトコ・ダリッチ

GK
ドミニク・リバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)

DF
デヤン・ロブレン(ゼニト・サンクトペテルブルク/ロシア)
ボルナ・ソサ(シュツットガルト/ドイツ)
ヨシュコ・グバルディオル(ライプツィヒ/ドイツ)
ヨシプ・ユラノビッチ(セルティック/スコットランド)

MF
マテオ・コバチッチ(チェルシー/イングランド)
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/スペイン)
マルセロ・ブロゾビッチ(インテル/イタリア)

FW
イヴァン・ペリシッチ(トッテナム/イングランド)
アンドレイ・クラマリッチ(ホッフェンハイム/ドイツ)
マルコ・リバヤ(ハイドゥク・スプリト)

交代出場
64分 マルコ・リバヤ→ブルーノ・ペトコビッチ(ディナモ・ザグレブ)
64分 アンドレイ・クラマリッチ→マリオ・パシャリッチ(アタランタ/イタリア)
90分+2 マテオ・コバチッチ→ロヴロ・マイェル(レンヌ/フランス)

ベルギー
フォーメーション : [3-4-3]

監督 : ロベルト・マルティネス

GK
ティボー・クルトワ(レアル・マドリード/スペイン)

DF
トビー・アルデルヴァイレルト(アントワープ)
ヤン・フェルトンゲン(アンデルレヒト)
ティモシー・カスターニュ(レスター/イングランド)

MF
アクセル・ヴィツェル(アトレティコ・マドリード/スペイン)
ヤニック・カラスコ(アトレティコ・マドリード/スペイン)
トーマス・ムニエ(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
レアンドロ・デンドンケル(アストン・ヴィラ/イングランド)

FW
ケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ/イングランド)
ドリース・メルテンス(ガラタサライ/トルコ)
レアンドロ・トロサール(ブライトン/イングランド)

交代出場
46分 ドリース・メルテンス→ロメル・ルカク(インテル/イタリア)
59分 レアンドロ・トロサール→トルガン・アザール(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
72分 ヤニック・カラスコ→ジェレミー・ドク(レンヌ/フランス)
72分 レアンドロ・デンドンケル→ユーリ・ティーレマンス(レスター/イングランド)
87分 トーマス・ムニエ→エデン・アザール(レアル・マドリード/スペイン)

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