[W杯マッチ42]この結末を誰が予想した? 完勝のモロッコ、グループFの2強抑えて首位で“36年ぶり”W杯決勝T進出
決勝トーナメント進出を喜ぶモロッコの選手たち photo/Getty Images
2連勝で首位通過が決まったモロッコ
MATCH42 グループF 第3節
2022年12月1日 18:00キックオフ(会場:アル・トゥママ・スタジアム)
カナダ 1-2 モロッコ
前節は強豪ベルギーを相手に完勝し、24年ぶりにFIFAワールドカップで勝利を挙げたモロッコ。この試合に勝利すれば、グループステージ突破が決まる一戦で、2連敗中のカナダに対して勢いの差を見せつけたい。
そしてその勢いは開始早々から結果として表れる。4分、バックパスを受けたGKボージャンにエン・ネシリが猛烈にプレッシャーをかける。トラップが乱れたところにツィエクが反応して、最後は無人のゴールに流し込み先制点を挙げる。モロッコは持ち味のプレッシングから相手のミスを見逃さず。積極的な姿勢が先制ゴールを生んだ。
さらにモロッコは攻勢を強めると、23分には追加点を決める。ハキミのロングボールを受けたエン・ネシリが相手ディフェンスラインの裏へ抜け出すと、GKとの1対1を確実に決めて2-0。一昨季ラ・リーガで38試合18ゴールとブレイクしたモロッコのエースがカナダを突き放す得点を決めてみせた。
2点のビハインドを負うカナダも反撃。40分にはアデクグベが左サイドからクロスを供給すると、アゲルドが触れてコースが変わったボールはそのままゴールネットに吸い込まれて1点差に。モロッコは前半アディショナルタイムにゴールネットを揺らすものの、オフサイドの判定でノーゴール。前半から両者が点を取り合う激しい展開となる。
決勝ゴールを挙げるエン・ネシリ photo/Getty Images
1点差を守り切ったモロッコ
後半は打って変わってカナダがモロッコゴールに襲い掛かる。71分にはホイレットのクロスにハッチンソンが合わせるも、クロスバーに直撃してゴールラインを越えられず。その後もボールを握って同点弾を狙うが、ゴールを決めることはできず、2-1のまま試合を終了した。
この結果を誰が予想できただろうか。モロッコは前回大会2位のクロアチアと、前回3位のベルギーを振り切って首位でグループFを突破。24年ぶりにW杯勝利を挙げた翌節には36年ぶりの決勝トーナメント進出を決める快挙を達成し、会場に駆けつけたモロッコサポーターは歓喜の和に包まれた。また枠内シュート2本で2得点を挙げる効率の良さをみせるなど、勝負強さも身に付けている。
3連敗で大会を終えることとなったカナダだが、次回は共同開催の1つとして開催国となる。この経験を4年後に生かして今大会を超える結果を残したい。
カナダは71分に決定機もゴールラインを越えることはできず photo/Getty Images
[スコア]
カナダ 1-2 モロッコ
[得点者]
カナダ
40分 OG
モロッコ
4分 ハキム・ツィエク
23分 ユセフ・エン・ネシリ
[ポゼッション]
カナダ 45% モロッコ 36% 中立 19%
[シュート数]
カナダ 5 モロッコ 7
[枠内シュート]
カナダ 0 モロッコ 2
[イエローカード]
カナダ 4枚
デイビッド・ホイレット
ジョナサン・オソリオ
サム・アデクグベ
スティーブン・ヴィトーリア
カナダ
フォーメーション : [4-4-2]
監督 : ジョン・ハードマン
GK
ミラン・ボージャン(レッドスター/セルビア)
DF
アリスター・ジョンストン(モントリオール)
サム・アデクグベ(ハタイスポル/トルコ)
カマル・ミラー(モントリオール)
スティーブン・ヴィトーリア(シャヴェス/ポルトガル)
MF
タジョン・ブキャナン(クラブ・ブルージュ/ベルギー)
マーク・アンソニー・ケイ(トロントFC)
アルフォンソ・デイビス(バイエルン/ドイツ)
ジョナサン・オソリオ(トロントFC)
FW
デイビッド・ホイレット(レディング/イングランド)
サイル・ラリン(クラブ・ブルージュ/ベルギー)
交代出場
60分 サイル・ラリン→ジョナサン・デイビッド(リール/フランス)
60分 マーク・アンソニー・ケイ→アティバ・ハッチンソン(ベシクタシュ/トルコ)
60分 サム・アデクグベ→イスマエル・コネ(モントリオール)
65分 ジョナサン・オソリオ→リッチー・ラリア(トロント)
76分 デイビッド・ホイレット→デイビット・ウォザースプーン(セント・ジョンストン/スコットランド)
モロッコ
フォーメーション : [4-3-3]
監督 : ワリド・レグラギ
GK
ヤシン・ブヌ(セビージャ/スペイン)
DF
アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン/フランス)
ヌサイル・マズラウィ(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
ナイェフ・アゲルド(ウェストハム/イングランド)
ロマン・サイス(ベシクタシュ/トルコ)
MF
ソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ/イタリア)
アゼディン・ウナヒ(アンジェ/フランス)
アブデルハミド・サビリ(サンプドリア/イタリア)
FW
ハキム・ツィエク(チェルシー/イングランド)
ソフィアン・ブファル(アンジェ/フランス)
ユセフ・エン・ネシリ(セビージャ/スペイン)
交代出場
65分 ソフィアン・ブファル→ザカリア・アブクラル(トゥールーズ/フランス)
65分 アブデルハミド・サビリ→セリム・アマラー(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
76分 ハキム・ツィエク→アブデルラザク・ハムダラー(アルイテハド/サウジアラビア)
76分 アゼディン・ウナヒ→ジャワド・エルヤミク(バジャドリード/スペイン)
85分 アクラフ・ハキミ→ヤヒヤ・ジャブラヌ(ウィダド)