[W杯マッチ46]韓国に訪れた劇的なクライマックス 土壇場のAT弾でGS大逆転突破

キム・ヨングォンのゴールで、前半のうちに試合を振り出しに戻した韓国 photo/Getty Images

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開始早々に失点も同点にして後半へ

MATCH 46 グループH 第3節 
2022年12月2日18:00キックオフ(会場:エデュケーション・シティ・スタジアム)
韓国 2-1 ポルトガル


グループHの最終節で、韓国代表とポルトガル代表が相見えた。2連勝を飾り、一足先にグループステージ突破を決めたポルトガルに対し、韓国はここまでの2試合で善戦するも、勝ち点はわずかに「1」。さらに監督不在という困難もあるが、韓国はこのポルトガル戦に勝利し、同時刻にキックオフされるもう一方の試合の結果に運命を委ねるしかない。一方のポルトガルも2位通過になると、ベスト16でブラジル代表と対戦する可能性が大いにあるため、最低でもこの試合で勝ち点「1」は欲しいところか。
そんな中、韓国はこの試合で若き至宝イ・ガンインを今大会初めてスタメンに抜擢。さらに、絶対的なエースであるソン・フンミン、ガーナ戦で2ゴールを決めたチョ・ギュソンらも、引き続きスタメンに名を連ねている。それに対してポルトガルは、クリスティアーノ・ロナウドこそ名を連ねているものの、大幅なメンバー変更を敢行。より激しさが増す決勝トーナメントを見越して、ベルナルド・シウバやブルーノ・フェルナンデス、ジョアン・フェリックスら主力たちを温存した。また、この大舞台での経験は未来のチームにも生きてくるはずで、すでに決勝トーナメント進出を果たしたアドバンテージを生かして、ディオゴ・ダロやヴィティーニャといった若手にもチャンスを与えている。

韓国ボールでキックオフされた試合は、勝つしかない韓国がボールを回し、試合の主導権を握ろうとするが、ポルトガルがあっという間にスコアを動かしてみせた。5分、ぺぺのロングパスからディオゴ・ダロが左サイドの深い位置まで進入。相手DFをひとり交わしてマイナスのボールを折り返すと、後ろから走り込んできたリカルド・オルタが合わせ、ポルトガルが幸先よく先制した。

先制点を奪われたことで、おそらくプランが崩れてしまったであろう韓国。より攻撃的にゴールを奪い返しにいくのか、あまりにも早い失点だったため一旦試合を落ち着かせにかかるのか、選択肢が迫られる。そんな中、韓国は後者を選択。後ろからじっくりボールを回し、再びリズムを作りにかかる。その甲斐もあってか、韓国は失点直後も慌てた様子はない。

すると16分、左CKを得た韓国はショートコーナーの流れからゴールネットを揺らすが、これはオフサイドの判定で認められず。しかし27分、再び左CKのチャンスから、今度は直接クロスを入れると、こぼれ球にキム・ヨングォンが反応。倒れ込みながらなんとか押し込み、同点に追いついた。

前半のうちに試合を振り出しに戻したことで、韓国は再び前がかりに。激しいプレスでポルトガルを苦しめ、ソン・フンミンの個人技やチョ・ギュソンの高さを生かして相手のゴール前までボールを運ぶシーンが増えていく。ただ、ポルトガルも韓国のプレスをかわした際には惜しいチャンスを作っており、どちらが勝ち越しゴールを奪ってもおかしくない展開が続いた。しかし、前半は追加点が奪えないまま終了し、試合の行方はラスト45分に委ねられることとなった。

途中投入の期待に応え、後半ATに逆転ゴールを決めたファン・ヒチャン photo/Getty Images

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ATに劇的逆転弾

後半に入ると、パスを回して左右に揺さぶりをかけながらじっくり攻めるポルトガル。それに対して韓国は素早いカウンターを狙っていくが、取りどころがなく、なかなかボールが奪えない。そんな中、66分のファン・ヒチャン投入を機に徐々に盛り返していき、立て続けにチャンスを作る。

すると、後半のアディショナルタイムに劇的なクライマックスが韓国に待っていた。ポルトガルのCKのこぼれ球を拾うと、鋭いカウンターからソン・フンミンが相手陣内へボールを運ぶ。そのソン・フンミンを追い越すようにファン・ヒチャンが後ろから全力で走り込み、絶妙なタイミングでスルーパスが通る。ファン・ヒチャンはこれを冷静に決め、韓国が土壇場で逆転に成功したのだ。

試合はこのまま終了し、韓国が2-1でポルトガルを相手に逆転勝利を収めた。一足先に試合が終わったため、あとはガーナ×ウルグアイの結果を待つのみ。終了までの時間差は10分程度だっただろうが、韓国にとっては非常に長い待ち時間だったかもしれない。ガーナ×ウルグアイの結果は2-0でウルグアイの勝利。総得点の差で、韓国がグループHを大逆転で突破してみせた。グループステージで多くの波乱を起こして見せたアジア勢だが、決勝トーナメントでもぜひとも飛躍を遂げてもらいたいものだ。

逆転突破が決まり、試合後にファンとともに喜びを爆発させる韓国代表メンバー photo/Getty Images

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[スコア]
韓国 2-1 ポルトガル

[得点者]
韓国
27分 キム・ヨングォン
90+1分 ファン・ヒチャン

ポルトガル
5分 リカルド・オルタ

[ポゼッション]
韓国 33% ポルトガル 52% 中立 15%

[シュート数]
韓国 13 ポルトガル 12

[枠内シュート]
韓国 6 ポルトガル 5

[イエローカード]
韓国 2枚
イ・ガンイン
ファン・ヒチャン

[レッドカード]
なし


[ラインナップ]
韓国
フォーメーション:[4-3-3]

監督:パウロ・ベント

GK
キム・スンギュ(アル・シャバブ/サウジアラビア)

DF
キム・ジンス(全北現代)
キム・ムンファン(全北現代)
キム・ヨングォン(蔚山現代)
クォン・ギョンウォン(ガンバ大阪/日本)

MF
チョン・ウヨン(アル・サッド/カタール)
ファン・インボム(オリンピアコス/ギリシャ)
イ・ガンイン(マジョルカ/スペイン)

FW
ソン・フンミン(トッテナム/イングランド)
チョ・ギュソン(全北現代モータース)
イ・ジェソン(マインツ/ドイツ)

交代出場
66分 イ・ジェソン→ファン・ヒチャン(ウォルバーハンプトン/イングランド)
81分 イ・ガンイン→ファン・ウィジョ(オリンピアコス/ギリシャ)
81分 キム・ヨングォン→ソン・ジュンホ(山東泰山/中国)
90+3分 チョ・ギュソン

ポルトガル
フォーメーション:[4-5-1]

監督:フェルナンド・サントス

GK
ディオゴ・コスタ(FCポルト)

DF
ディオゴ・ダロ(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
ペペ(FCポルト)
ジョアン・カンセロ(マンチェスター・シティ/イングランド)
アントニオ・シウバ(ベンフィカ)

MF
ジョアン・マリオ(ベンフィカ)
ルベン・ネヴェス(ウォルバーハンプトン/イングランド)
マテウス・ヌネス(ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ/イングランド)

FW
クリスティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
ヴィティーニャ(パリ・サンジェルマン/フランス)
リカルド・オルタ(ブラガ)

交代出場
65分 マテウス・ヌネス→ジョアン・パリーニャ(フラム/イングランド)
65分 ルベン・ネヴェス→ラファエル・レオン(ACミラン/イタリア)
65分 クリスティアーノ・ロナウド→アンドレ・シウバ(RBライプツィヒ/ドイツ)
81分 ジョアン・マリオ→ウィリアム・カルバーリョ(ベティス/スペイン)
81分 ヴィティーニャ→ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ/イングランド)

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