結果が違っていればバッシングの嵐だった? 日本がワンランクアップするために必要なこと

スぺイン戦ではその献身的な姿勢で称賛を浴びた前田大然 photo/Getty images

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結果だけでなく内容も見ていく必要がある

日本がFIFAワールドカップ・カタール大会で見せた強みは3バックという秘策、5バック時の守備の堅さ、カウンターの鋭さ、プレッシングの強度だ。どれもドイツ、スペインの強国を脅かしており、日本の16強入りを支えてくれた。

普段セルティックでプレイする前田大然はプレッシングの強度を高められるFWだ。快足を武器に相手のビルドアップを脅かし、スペイン戦の堂安律の同点弾は前田の積極的なプレッシングから生まれている。

今の戦い方であれば前田は戦術に最も適したFWだ。快足とスプリントを繰り返すスタミナはピカイチであり、スペイン戦では62分までプレイしたが、スプリント数はなんと62回だった。1分に1スプリントの計算となる。
試合後、前田には各方面から祝福の言葉が寄せられた。彼の守備が勝利を呼び込んでおり、スプリントでチームに貢献した。

ただ試合の結果が違っていれば、バッシングの嵐だっただろう。スペイン戦、前田は守備で大きく貢献したが、ボールをプレイする際は味方との意思疎通ができず、パスがズレる場面が散見された。味方のパスを感じられていないことが多く、前線でボールを収めることもできなかった。もし一人でボールを収めて時間を作れる選手がいればもっと楽な前半となっていただろう。

日本には古橋亨梧や上田綺世のような素晴らしいストライカーはいるが、どうにも代表ではその力を100%発揮できていないように思う。セルティック、サークル・ブルージュでは頼もしい存在だが、森保ジャパンでその勢いはない。

まずサムライブルーがストライカーを生かせていないことが気になる。古橋も上田も相手を背負ってどうにかするタイプではなく、シュートの上手さ、シュートコースを作り出すことに長けている。そんなチャンスを日本はボールを保持した状態で作れない。これはアジア最終予選からの課題であり、W杯後もぶつかることになるだろう。

ストライカー側も進歩が必要であり、ロメル・ルカクとまではいわないが、外国人DFを背負って時間が作れるFWの出現が必要だ。サイドからの崩しも重要だが、ストライカーのポストプレイは攻撃の一つのパターンであり、そういった選手が出てくるだけで日本の攻撃力は何倍にも跳ね上がる。

前田の守備時の貢献は素晴らしかったが、62分間でシュートはゼロであり、得点を奪うストライカーとしての仕事はできていない。献身性は重要だが、今後日本が一つ上のランクに進むためにはストライカーの成長、ストライカーを生かす組織作りが重要になる。

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