[W杯マッチ49]終盤にデ・リフトが出てくる超豪華守備陣 オランダがヤングなアメリカを撃破してベスト8へ
ベスト8入りを決めたオランダ代表 photo/Getty Images
守ってデパイで仕留めるオランダ流が炸裂
MATCH 49 決勝トーナメント1回戦
2022年12月3日18:00キックオフ(会場:ハリーファ国際スタジアム)
オランダ 3-1 アメリカ
いよいよFIFAワールドカップ・カタール大会も決勝トーナメントへ突入。ベスト16最初の一戦は若い力でグループBを勝ち上がってきたアメリカ代表と、名将ルイ・ファン・ハールの下で落ち着いた戦いを見せてきたオランダ代表が激突した。
アグレッシブな入りを見せたのはアメリカだ。5バックにもなるオランダ守備陣に立ち上がりから圧力をかけていき、攻撃も10番のクリスティアン・プリシッチを中心に積極的な姿勢を見せる。
しかし、オランダはグループステージから相手にボールを持たれるゲームには慣れている。守備時に5バックとなるため後ろが重たくなるところはあるが、この日も最終ラインの中央に入るフィルジル・ファン・ダイクを中心に相手の攻撃を跳ね返していく。
攻撃面で大きいのはエースのメンフィス・デパイ完全復帰だ。堅く守り、デパイ中心の攻撃で仕留めるのがオランダ流であり、それが出たのが前半10分だ。
ボールを奪ったところからデパイが中盤へ顔を出してボールを引き出すと、そこから一気にボールが繋がっていく。左サイドから右サイドへ流れるようにボールを繋ぐと、最後はグラウンダーのクロスにデパイが合わせて先制。オランダのやりたいことが詰まった一撃で、今大会のベストゴールの1つに挙げてもいいだろう。
その後もオランダはアメリカの攻撃をのらりくらりとかわし、迎えた前半アディショナルタイム。またも右サイドから崩すと、先制点と同じような軌道のグラウンダークロスに今度は左ウイングバックのブリントが走り込んで2点目をゲット。前半終了間際に追加点を挙げて折り返す理想的な試合展開だ。
エースのデパイも完全復帰で目指すは優勝だ photo/Getty Images
ヤング・アメリカは4年後の戦いも楽しみ
負けたら終わりの決勝トーナメント。アメリカはレイナ、アーロンソン、ハジ・ライトと攻撃的なカードを次々と切り、2点を追って猛攻を仕掛けた。
シュート数もアメリカがオランダを上回る17本打っており、アメリカはフィニッシュまで持ち込めていた。だが、そこにファン・ダイク、アケ、ティンバーらオランダ自慢のDFが体を投げ出してくる。シュートを打つ機会は多かったが、決定機はそこまで多くなかった印象だ。
76分にはハジ・ライトが意地で1点を返すものの、その5分後には前がかりになったところをオランダに突かれ、左サイドからブリントが上げたクロスに右ウイングバックのダンフリースが飛び込んで勝負あり。再びオランダが2点差をつけ、アメリカの心を折る。
さらにオランダは後半アディショナルタイムにセンターバックのデ・リフトが登場。終盤の守備固めでバイエルンの主軸DFが出てくるところにオランダの凄さがあり、センターバックの顔ぶれは出場国の中でもトップクラスの質と量を誇る。
失点はあったものの、オランダは安定した戦いでベスト8進出を果たした。一方のアメリカは若い選手たちが多く、4年後の2026年大会はカナダ、メキシコとの3国共催で行われる予定だ。そこへ向けて今回のカタール大会は良い経験となったはずで、今のチームは4年後の完成を目指している。ベスト16まで進出できたのは一定の成果と言っていいだろう。
アメリカは4年後の優勝を狙う若いチーム photo/Getty Images
[スコア]
オランダ 3-1 アメリカ
[得点者]
オランダ
10分 メンフィス・デパイ
45分+1 ダレイ・ブリント
81分 デンゼル・ダンフリース
アメリカ
76分 ハジ・ライト
[ポゼッション]
オランダ 35% アメリカ 52% 中立 13%
[シュート数]
オランダ 12本 アメリカ 17本
[枠内シュート]
オランダ 6本 アメリカ 6本
[イエローカード]
オランダ 2枚
トゥーン・コープマイネルス
フレンキー・デ・ヨング
[レッドカード]
なし
[ラインナップ]
オランダ
フォーメーション:[3-5-2]
監督:ルイ・ファン・ハール
GK
アンドリエス・ノペルト(ヘーレンフェーン)
DF
ユリエン・ティンバー(アヤックス)
フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール/イングランド)
ナタン・アケ(マンチェスター・C/イングランド)
MF
ダレイ・ブリント(アヤックス)
デンゼル・ダンフリース(インテル/イタリア)
マルテン・デ・ローン(アタランタ/イタリア)
フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ/スペイン)
ダフィ・クラーセン(アヤックス)
FW
メンフィス・デパイ(バルセロナ/スペイン)
コーディ・ガクポ(PSV)
交代出場
46分 ダフィ・クラーセン(アヤックス)→トゥーン・コープマイネルス(アタランタ/イタリア)
46分 マルテン・デ・ローン→ステフェン・ベルフハイス(アヤックス)
83分 メンフィス・デパイ→シャビ・シモンズ(PSV)
90分+3 ナタン・アケ→マタイス・デ・リフト(バイエルン/ドイツ)
90分+3 コーディ・ガクポ→ボウト・ベグホルスト(ベジクタシュ/トルコ)
アメリカ
フォーメーション:[4-3-3]
監督:グレッグ・バーホルター
GK
マット・ターナー(アーセナル/イングランド)
DF
セルジーニョ・デスト(ミラン/イタリア)
アントニー・ロビンソン(フラム/イングランド)
ティム・リーム(フラム/イングランド)
ウォーカー・ジマーマン(ナッシュビルSC)
MF
タイラー・アダムス(リーズ/イングランド)
ユヌス・ムサ(バレンシア/スペイン)
ウェストン・マッケニー(ユヴェントス/イタリア)
FW
クリスティアン・プリシッチ(チェルシー/イングランド)
ティモシー・ウェア(リール/フランス)
ヘスス・フェレイラ(FCダラス)
交代出場
46分 ヘスス・フェレイラ→ジョバンニ・レイナ(ドルトムント/ドイツ)
67分 ティモシー・ウェア→ブレンデン・アーロンソン(リーズ/イングランド)
67分 ウェストン・マッケニー→ハジ・ライト(アンタルヤスポル/トルコ)
75分 セルジーニョ・デスト→デアンドレ・イェドリン(インテル・マイアミ)
90分+2 アントニー・ロビンソン→ジョーダン・モリス(サウンダーズ)