ポルトガルは“C・ロナウド抜き”の方が強いのか 勝負のW杯イヤーに起きた鉄人ゴールマシーンの異変

スイス戦はベンチスタートだったロナウド photo/Getty Images

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ロナウドのパフォーマンスが上がってこない

現在行われているFIFAワールドカップ・カタール大会は世代に1つの区切りがつく大会と開幕前から注目を集めており、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、ブラジル代表FWネイマールなど一部スター選手にとっては最後のワールドカップになる可能性がある。

今回のFIFAワールドカップはシーズン途中の11月に開催されており、そこに照準を合わせてクラブでの前半戦を過ごしてきたベテラン選手も多いだろう。

ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドもその1人だったはずだが、37歳を迎えた鉄人ストライカーの評価は一気に落ちてしまった。
まずは所属していたマンチェスター・ユナイテッドでスタメンから落ちてしまい、今季前半戦はほとんど結果を残せていない。今夏の移籍報道や、スタメン落ちしてからの態度などを指摘される機会も目立っており、ロナウドにとっては厳しい時間が続いた。

その鬱憤をカタール大会で晴らしたいところだったが、ポルトガル代表でもまさかのスタメン落ちが起きてしまった。先日行われたベスト16のスイス戦にて代表監督フェルナンド・サントスはロナウドをスタメンから外し、ベンフィカでプレイする21歳のFWゴンサロ・ラモスを抜擢。

そのラモスが圧巻のハットトリックを記録することになり、代表でもロナウドの立場が怪しくなってきた。チームも6-1のスコアで快勝しており、ロナウド抜きの方がチームとして機能しているなんて意見も出ている。

例えばアーセナルなどで活躍したFWイアン・ライト氏は『ITV Sport』にて、「このチームはファイナルへ行けるし、チームはロナウドがいなくてもそれが出来る。それはEURO2016でも証明していた。ロナウドがいなくてもポルトガルはダイナミックだったからね」とコメントしている。

ロナウド抜きでスタートしたスイス戦では攻守の切り替えも早く、自慢のテクニシャンたちが自由にポジションを動かしながらスイスを翻弄した。ロナウドがスタメンの場合は『戦術ロナウド』と感じられることも少なくないが、スイス戦のポルトガルは良い意味で主役のいないチームだった。6-1のスコアを考えれば、次のベスト8・モロッコ戦でロナウドを先発に戻す必要があるとは思えない。

W杯イヤーにクラブと代表の両方で序列が落ちるなどロナウドも想像していなかったはずだが、40代でもトップレベルで活躍できると言われていたロナウドに衰えの波がきているのだろうか。今季はどこかスピードに乗り切れないところがあり、かつての姿が見えてこない。チームは良い形でベスト8へ向かうが、ロナウドの心境は複雑だろう。

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