大会No.1の“タックル数&クリア数”にツィエクとブファルの超絶テクニック 数字で見るモロッコの快進撃

ベスト4まで上がってきたモロッコ代表 photo/Getty Images

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勝ち上がるだけの要素は備えていた

モロッコ代表がスペイン、ポルトガルを打ち破ってベスト4まで勝ち上がってくると誰が予想しただろうか。FIFAワールドカップ・カタール大会最大のダークホースはモロッコだった。

彼らの戦いはシンプルだ。格上に対してきっちりと守備を固め、まずは相手の攻撃を全員で跳ね返す。そしてボールを奪えば、最前線に構える長身のユセフ・エン・ネシリ、ワイドに位置するテクニシャンのハキム・ツィエク、ソフィアン・ブファルといったタレントをシンプルに活かしていくというものだ。

モロッコの戦いを数字で振り返ると、ここまでクリア数は大会トップとなる118回、タックルを仕掛けた数もトップの134回と守備面での頑張りが目立つ。格上を撃破するうえで守備の安定は最低条件であり、チーム全員でのハードワークも欠かせない。デュエルの強さも必要だ。モロッコはその要素を満たしている。
そしてカウンターを仕掛ける際のアイディアだ。モロッコのドリブル成功数はイングランド代表と並ぶ2位タイの36回。これを上回るのはベスト4で顔を合わせるフランス代表のみで41回だ。モロッコはただ守るだけでなく、攻撃時には個の能力をきっちりと引き出している。

個人の数字を見ると、ドリブル成功数3位にはブファル(12回)、10位にはツィエクと中盤のアゼディン・ウナヒが7回で並んでいる。彼らのテクニックがモロッコのカウンターの質を大幅に引き上げているのだ。

そしてベスト8のポルトガル戦で決勝点を挙げたエン・ネシリだ。188cmのサイズを誇る大型FWのエン・ネシリは、大会第5位となる16回の空中戦勝利数を記録している。

ソフィアン・アムラバトを中心とした中盤の守備、堅い最終ライン、ワイドな位置には1対1で仕掛けられるブファルとツィエク、最前線にはポスト役をこなすエン・ネシリと、モロッコは勝つための武器を揃えていた。

独『DW』は「モロッコに不可能はない」とベスト4の戦いを楽しみにしているが、選手のコンディションさえ間に合えばフランス相手にも喰らいつけるだろう。疲労度を考えると短期決戦に向いている戦い方とは言えないが、モロッコのような中堅国が上位を目指すには最適のスタイルだ。夢の優勝まであと2つ。ここまでくれば何が起きても不思議はない(数字は『WhoScored』より)。

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