“2度目”の海外挑戦は失敗に終わるのか 超早熟の逸材・井手口陽介を4年後のW杯で見たい

ハリルジャパンでは大きな期待を背負った井手口 photo/Getty Images

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セルティックでは134分しか出番がない

4年後の日本代表は誰が中盤の軸になっているだろうか。FIFAワールドカップ・カタール大会でベスト16に入った森保ジャパンでは遠藤航、守田英正、田中碧の3人が軸となり、途切れぬハードワークでドイツ&スペインを撃破してみせた。この3人のハードワークがなければ今大会の成功はなかったはずで、ボールを奪う力や攻守に走り回る運動量など、3人のフィジカルは世界にも通用することを証明してみせた。

デュエルの重要性を再認識させられる大会だったが、本来はこの中盤争いに入ってほしいMFがいる。今年1月にガンバ大阪を離れ、2度目の海外挑戦としてセルティックへ向かった井手口陽介だ。

井手口はヴァイッド・ハリルホジッチ前監督に才能を評価され、2017年に代表デビューを果たした早熟のMFだ。中盤でファイトする力があり、2018年のFIFAワールドカップ・ロシア大会へ向けたアジア最終予選のオーストラリア戦で決めたミドルシュートの衝撃はかなりのものがあった。ボールを奪い、自ら縦へ仕掛けられる推進力こそハリルホジッチが評価した理由だろう。
しかし、井手口のセルティック挑戦はここまで上手くいっていない。年齢的にはまだ26歳と若く、4年後のワールドカップも目指せるだろう。セルティックでのアピールが成功すれば今回のカタール大会でもメンバーに入れたかもしれないが、井手口は怪我の影響もあってセルティックで未だ134分間しかプレイ出来ていない。今季もベンチに3度入っただけで出番はゼロだ。

現在セルティックは横浜F・マリノスを指揮していたアンジェ・ポステコグルーが率いているが、地元メディア『The Celtic Way』は井手口獲得に関して「ポステコグルーは移籍市場でのリクルートにおいて絶対的な存在ではないと証明した。指揮官とはどこかで間違うものだ」と辛口に振り返っている。

古橋亨梧や前田大然、デンマーク人MFマット・オライリーなどポステコグルー体制では補強のヒットが続いているが、今のところ井手口はその波に乗ることが出来ていない。

デビュー当初のフィジカル能力は非常に印象的で、日本サッカー界の新時代も感じさせた井手口。今の代表のスタイルにも合うはずだが、次の4年間へ再度アピールできるだろうか。大きい怪我を経験したとはいえ、このまま終わるには勿体ない逸材だ。すでにセルティックを離れる案も浮上しているようだが、井手口はもう一度輝きを取り戻せるか。

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