「最大の弱点を最大の強みに変えた」 4位浮上のマンUはテン・ハーグの下で“守備力“を大きく改善

マンUの守備を変えたテン・ハーグ監督 photo/Getty Images

今季は調子が上向いている

先月31日に行われたプレミアリーグ第18節ウォルバーハンプトン戦を0-1の勝利で終え、4位に浮上したマンチェスター・ユナイテッド。この試合にも象徴されるように、今季のマンUはエリック・テン・ハーグ監督の下で守備を大きく改善させている。
 
昨季までアヤックスを率いていたテン・ハーグ監督は、ラルフ・ラングニック暫定監督の後を継いで今季からマンUの指揮官に就任。リーグ戦開幕2連敗を喫するなど当初はつまずいたものの、その後は立て直しに成功。現在の成績はリーグ戦16試合を終えて10勝2分4敗の勝ち点32であり、消化試合数が1試合多い3位ニューカッスル・ユナイテッドに勝ち点差2まで迫っている。
 
そんなマンUに対し、英『Manchester Evening News』は「テン・ハーグ監督がマンUの最大の弱点を最大の強みに変えた」と主張。「よく組織化され、倒すのが難しく、守備が堅くなっている」とディフェンス力の向上を指摘している。
 
6位に終わった昨季のマンUは、リーグ戦全38試合を戦って得点57、失点57の得失点差0でシーズンを終えていたが、同メディアはこれが1978-79シーズン以来ワーストの失点数だったと取り上げている。それに対し、今季ここまでのマンUは16試合20失点。特筆するほど少ないとは言えないが、そのうちの6失点はつまずいた開幕2試合で数えられたものであり、それ以降は14試合14失点と悪くない数字だ。
 
また、今季のマンUは先日のウルブズ戦ですでに7回目のクリーンシートを達成している。現在クリーンシート数でトップに立っているチームは17試合で9回のニューカッスルであり、16試合で7回のマンUとアーセナルが2位で並んでいる。
 
この要因としては、MFカゼミロやDFリサンドロ・マルティネスといった新戦力の存在や、GKダビド・デ・ヘアの好調などがあげられる。中盤のカゼミロがピッチを幅広くカバーして攻撃の芽を摘んでおり、L・マルティネスは最終ラインを統率しつつ、安定感のあるプレイを披露。デ・ヘアも度々ビッグセーブでチームの窮地を救っている。
 
そしてやはり、テン・ハーグ監督の手腕が大きいことも間違いない。相手によっては押し込まれる試合もあるが、彼がポゼッションを重視していることで守備の回数や時間を減らすことができている。また、直近2試合で言えば、L・マルティネスの不在をDFルーク・ショーのセンターバック起用でカバーするといった采配も振るっており、前述したウルブズ戦も含めどちらの試合も無失点で勝利した。
 
今月のマンUは、マンチェスター・シティ戦、アーセナル戦といった大一番も控えているが、ここで失点を最小限に食い止めて、チームの守備力が向上したことをはっきりと証明してもらいたいところ。それができれば今季のトップ4フィニッシュも現実味を帯びてくるはずだ。

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