23日、プレミアリーグ第21節アーセナル対マンチェスター・ユナイテッドの試合が行われた。試合前の時点では首位のアーセナルが勝ち点47、4位のマンUが勝ち点39となっており、両者の勝ち点差は8。アーセナルの方が消化試合数が1試合少ないという状況ではあるが、勝った方がトップ4フィニッシュに大きく前進する一戦となった。
序盤からアーセナルが押し込む展開となったが、MFカゼミロを出場停止で欠くマンUも集中して守る。すると17分、押し込まれていた側のマンUが最初のシュートで先制に成功。FWマーカス・ラッシュフォードが中盤でボールを持つと、1人かわして前進。エリア外から強烈なミドルシュートをゴール左下に突き刺し、効率良くゴールを奪うことに成功した。
ホームのアーセナルも負けじとやり返す。主導権を握る彼らはパスワークで左サイドを崩し、MFグラニト・ジャカが精度の高いクロスを中央へ送る。これにFWエディ・エンケティアが頭で合わせ、24分にスコアを1-1とした。
マンUはカウンターからチャンスを作る。28分、右サイドをFWアントニーが崩すと、中で待っていたMFスコット・マクトミネイへ横パス。ダイレクトで放ったシュートは枠内へ飛んだが、GKアーロン・ラムズデールが横っ飛びでセーブした。
その後もアーセナルはマンUディフェンスの網をかいくぐろうと左右に揺さぶるが、決定的なチャンスを作るには至らない。久しぶりにゴール前に迫ったのは前半アディショナルタイム。左サイドの連携からDFオレクサンドル・ジンチェンコがシュート性のクロスをゴール前に入れたが、これは惜しくもエンケティアに合わず。その後、FWブカヨ・サカがエリア内でシュートまで打ち切るシーンもあったが、ここはDFルーク・ショーが体を張ってブロックした。
同点で迎えた後半、アーセナルのミケル・アルテタ監督はDFベン・ホワイトに代えてDF冨安健洋を投入。好調ラッシュフォードのサイドを抑えにかかる。
試合は前半と同様にアーセナルペースで進み、52分にはMFマルティン・ウーデゴーが逆エラシコ気味のトリッキーなパスをエリア内へ送ってチャンスを作る。これは惜しくもジャカに通らずCKとなったが、この流れからアーセナルが逆転弾をゲット。右サイドにいたサカへボールが渡ると、先制弾のお返しと言わんばかりの強烈なミドルシュートをカットインからファーへと突き刺し、53分にホームチームがこの試合初のリードを得た。
しかし、試合は一進一退の攻防を見せる。59分、MFクリスティアン・エリクセンがCKから質の高いボールを中へ送ると、キャッチにいこうとしたラムズデールがこぼす。これをDFリサンドロ・マルティネスが頭で押し込み、マンUがすぐに追いついた。
70分にはまたもサカがゴールに迫る。2点目と同じような形でカットインからシュートを放ったが、今回はわずかにエリクセンが触ったこともあり、惜しくも左ポストに阻まれた。
この直後、マンUのエリック・テン・ハーグ監督はアントニーに代えてMFフレッジを投入。エリクセンをトップ下に移し、MFブルーノ・フェルナンデスを右サイドへ。ボランチはマクトミネイとフレッジの2人が務めることになった。
試合終盤に差し掛かるとアーセナルのターンが続いたが、マンUはチーム一丸となって守備を固める。なんとしても崩したいアーセナルは、82分にFWガブリエウ・マルティネッリに代えて新加入FWレアンドロ・トロサールを投入。84分にはFKの流れからエンケティアがゴールの目の前でシュートを放ったが、GKダビド・デ・ヘアのビッグセーブで、マンUはなんとかピンチを凌いだ。
ところがドラマは最後の最後に待っていた。90分、中央で持ったトロサールが左サイドのジンチェンコへ展開すると、折り返しをウーデゴーが合わせる。これをゴール前にいたエンケティアが押し込み、アーセナルが最高の時間帯に勝ち越しに成功した。
マンUはFWアレハンドロ・ガルナチョを投入して土壇場での同点ゴールを狙うが、アーセナルはDFロブ・ホールディングをピッチに送り出して試合を締める。スコアはそのまま3-2で終了し、首位アーセナルがさらに勝ち点を積み上げる結果となった。
マンUとしては良い試合をしていただけに勝ち点を奪えなかったことは痛いが、これだけのパフォーマンスを発揮できれば、他のチームにはそう簡単に負けないだろう。対するアーセナルはこの勝利により、トップ4フィニッシュどころかリーグ制覇も見えてきそうだ。このまま勝ち点を取りこぼさずにスケジュールを進めていくことができるか。