プレミアの左サイドを破壊した日本人は三笘が初めてではない 世界が記憶する“速すぎた”宮市亮の衝撃

10代でアーセナルと契約した宮市 photo/Getty Images

単純なスピードなら三笘以上か

日本代表FW三笘薫がボールを持つたび、ブライトンのサポーターから歓声が上がる。おそらくはテレビの前やタブレットで三笘のプレイを見ている日本のファンも同じ反応をしているはずで、左ウイングに入る三笘は見る者を魅了することのできる特別なアタッカーだ。

スピードで縦へぶち抜くこともあれば、先日のレスター・シティ戦で決めたゴールシーンのように中へカットインしてのシュートもある。試合のたびに新たな引き出しを見せており、今頃は対戦相手も研究に没頭していることだろう。

しかし、プレミアリーグで観衆を魅了した日本人ドリブラーは三笘が初めてというわけではない。仏『Foot Mercato』が振り返ったのは、高校卒業と同時にアーセナルと契約を結んだ現横浜F・マリノスFW宮市亮だ。

約10年前の2011年に宮市はアーセナルと契約を結んだが、当時の日本サッカー界から考えれば高卒と同時にプレミア行きなど考えられないルートだった。

その後レンタル移籍したオランダのフェイエノールトでも宮市得意のドリブルは炸裂し、2012年にはイングランドへ戻ってボルトンへとレンタル移籍。ここでプレミアリーグ初出場を記録し、チェルシー相手に左サイドをスピードでぶち抜くなど観衆を魅了した。

単純なスピードだけならば、当時の宮市が三笘を上回っていると言ってもいいかもしれない。当時まだ10代だった宮市に比べれば、プレイの引き出しは25歳と成熟している三笘の方が柔軟かもしれないが、当時の宮市も縦に仕掛けてくると分かっていても止められないタイプのドリブラーだった。

あの衝撃から約10年。再び日本のドリブラーがプレミアリーグのサポーターを盛り上げている。そのインパクトはレスター・シティでプレミアを制した岡崎慎司、同じくマンチェスター・ユナイテッドでプレミアを制したMF香川真司のそれとは異なるタイプのものである。

同メディアは「W杯から戻ってきた彼は、5試合で3ゴールを決めた。特にアーセナル、エヴァートン、レスター戦でのパフォーマンスは見事だった。彼には先輩の香川真司や南野拓実、そして宮市亮よりも長くイングランドでの活躍を願う」と三笘の今後に期待しているが、このままイングランドで最も成功を収める日本人アタッカーとなれるだろうか。

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