「VARには一貫性がなければならない」 “カゼミロの首絞め”だけが切り取られた不公平感

カゼミロだけが退場となってしまった photo/Getty Images

順当にいけばカゼミロはリーグ戦3試合出場停止

5日に行われたクリスタル・パレス戦を苦しみながらも2-1の勝利で終えたマンチェスター・ユナイテッド。苦しんだ最大の要因はMFカゼミロがレッドカードを受けて退場したことだが、指揮官のエリック・テン・ハーグ監督は判定の一貫性を求めている。
 
今回のパレス戦ではMFブルーノ・フェルナンデスのPKとFWマーカス・ラッシュフォードのゴールによって2点のリードを得ることに成功したマンU。しかし、MFジェフリー・シュラップがFWアントニーを危険な形で押し飛ばしたことにより、両軍入り乱れての乱闘が66分頃に勃発。押し倒したシュラップと彼に詰め寄ったアントニーにはイエローカードが提示された。
 
さらに、VARの介入やオンフィールドレビューによってMFウィル・ヒューズの首に手をかけていたカゼミロのアクションが暴力行為とみなされ、彼にはレッドカードが提示される始末となった。数的不利となったマンUはその後パレスに1点を返されてしまったが、それ以上の反撃は許さず、勝ち点3をもぎとっている。
 
英『Daily Mail』によれば、テン・ハーグ監督はこの場面について、カゼミロと同様にMFフレッジの首に手をかけていたFWジョルダン・アイェウにもレッドカードが提示されるべきだったと試合後に主張している。また、以前の試合でMFクリスティアン・エリクセンやDFリサンドロ・マルティネスが負傷した際にVARによる介入がなかったことについても言及している。
 
「2つのチームが互いに争っているのを見た。何人かの選手が一線を越えた後、一人の選手が選ばれて退場させられたのも見た。私としてはそれはおかしいと思う」
 
「(アイェウも退場するべきだったか問われ)間違いなくそうだ。彼はカゼミロよりもさらに悪いことをした。カゼミロは争いを止めようとしてそうなったが、彼も一線を越えていた。アイェウに関しては間違いなくそう思う。VARには一貫性がなければならない」
 
「先週はクリスティアン・エリクセンをひどいファウルで失ったが、VARによる介入はなかった」
 
「(先月19日に行われた)クリスタル・パレス(のホームゲーム)では、(FWジャン・フィリップ)マテタがマルティネスに肘打ちを食らわせた。彼は眉毛のあたりを切ったまま2週間を過ごしたが、(VARによる)介入はなかった。このファウルはその試合だけでなく、それ以降の試合にも影響を与えるものだった。彼ら(審判団)には一貫性がないし、ふさわしい判定ではないと思う」
 
L・マルティネスはその後も問題なく試合に出場しているが、FAカップのレディング戦でFWアンディ・キャロルのタックルを受けたエリクセンは4月下旬から5月上旬まで離脱する見込みとなっている。怪我だけでなく、不当な扱いから選手やチームを守るという意味でも適切な判定が下されるべきだが、今後VAR判定の質は向上していくのか。

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