W杯で“モロッコの英雄”となったMFは今 カタールでの伝説の1カ月は過大評価だったのか

モロッコ代表ではチームのベスト4入りに貢献したアムラバト photo/Getty Images

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ビッグクラブにふさわしい選手か

昨年のFIFAワールドカップ・カタール大会で最大のサプライズチームとなったのがモロッコ代表だ。スペイン、ポルトガルまで撃破してベスト4へ駒を進めることになり、アフリカ勢の進化を感じさせる大会だったとも言える。

そんなモロッコで中心的役割をこなし、無尽蔵のスタミナの持ち主と絶賛されたのがフィオレンティーナ所属MFソフィアン・アムラバトだ。

アムラバトはグループステージ初戦から3位決定戦まで全試合フル出場を果たしており、PK戦までもつれたベスト16のスペイン戦も最後まで足が止まらなかった。そのパフォーマンスから大会終了後にはリヴァプール、バルセロナなどビッグクラブからの関心も噂されたが、ここ最近の評価は怪しいものとなっている。
クラブと代表で異なる顔を見せる選手もいるが、アムラバトは18日に行われたセリエA第23節のエンポリ戦で失点に絡んでしまった。

問題となったのは28分のプレイだ。守備的MFとして最終ラインまで降りてビルドアップに絡んでいたアムラバトは、相手が寄せてきたタイミングでまさかのコントロールミス。特に相手の寄せが激しいわけではなかったが、そこから相手にボールを拾われてゴールへ繋げられてしまった。自陣深くでのボールロストは致命傷になりやすい。

当然アムラバトへの評価は厳しいものとなっており、伊『Gazzetta dello Sport』は「レジスタになるにはボールに触れすぎで、ボールロストが多い」と指摘し、『Corriere dello Sport』は「彼のゲーム管理は杜撰だった」と手厳しい。

結局今冬の移籍は実現しなかったが、アムラバトの実力はビッグクラブにふさわしいものなのか。4年に1度のワールドカップでは毎回のようにヒーローとなる選手が出てくるものだが、その1カ月だけで評価を下すのは難しいところもある。フィオレンティーナに戻ったアムラバトには厳しい意見も出ているが、モロッコのリーダーとして見せていた姿が本物であることを証明したい。

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