落ちぶれていた時期もあったようだ
準決勝でのMFショーン・ロングスタッフの活躍などもあり、27日にはマンチェスター・ユナイテッドとのカラバオカップ決勝に臨むニューカッスル・ユナイテッド。MFマット・リッチーとエディ・ハウ監督の支えがなければ、ロングスタッフの2ゴール、さらに言えば彼らの決勝進出はなかったかもしれない。
ニューカッスル生え抜きの選手であり、今では中心選手としてチームの中盤を支えている25歳のロングスタッフ。1日に行われたカラバオカップ準決勝サウサンプトン戦2ndレグでは、エリア内に飛び込んできた彼が5分と21分にゴールを決め、ニューカッスルが2-1で勝利。これにより2戦合計スコアを3-1とし、見事決勝進出を果たしている。
英『Daily Mail』によると、ロングスタッフはこのサウサンプトン戦について「これまでの浮き沈みの集大成だった」というコメントを残している。そして、33歳のベテラン、マティ・リッチーの助けがなければ今頃ニューカッスルにいなかったかもしれないという過去も明かしている。
「もしマティがいなかったら…… 彼は『ロンジー(ロングスタッフ)、君には助けが必要だ』と言ってくれたんだ。僕は惨めだったし、練習中はちょっとバカな奴だった。周りに迷惑をかけた。他の人はそんな僕を放っておいたけど、彼は僕を引き戻してくれた人物の一人だったんだ」
「朝食を食べている時、親父の目の前で泣き崩れてしまった。マティがメールをくれて、こう言ったんだ。『この人と話してみて』って。心理学者だった。彼とは今でも話しているよ」
「あれから2年半ほど経ったけど、もし彼が僕を正しい道へ導いてくれていなかったら、恐らく今頃はニューカッスルでプレイしていなかっただろうね。僕はこのことを2,3ヵ月に1回は思い出しているし、その度にかなり恥ずかしい思いをしている」
さらに、ロングスタッフにとっては2021年11月からチームの指揮官に就任したエディ・ハウ監督の存在も大きかった模様。スティーブ・ブルース前監督の下では、他の選手たちと同様に精神的にも肉体的にもマンネリ化していたようだが、ハウ監督との出会いがそれを変えたという。
「(ニューカッスルを去るかと)もし1年半前に聞かれていたら、新しい監督がやってくるまでは答えが違っていたかもしれないね。それが正直なところだ」
「初日から何かが違ったんだ。彼は僕たちを選手としても人間としても向上させてくれるし、本当に気にかけてくれる。彼は僕のニューカッスルでのキャリアを救ってくれた。僕は彼を信頼しているし、彼が僕のパフォーマンスをもっと信頼してくれることを望んでいる」
カラバオカップ決勝で対戦するマンUは現在プレミアリーグで3位につけており、ヨーロッパリーグではラ・リーガ首位のバルセロナを倒すなど好調のチームだ。ニューカッスルは守護神ニック・ポープや第2GKのマルティン・ドゥブラフカを起用できないといった厳しい状況に置かれているが、そんな時こそ頼もしく成長したロングスタッフの活躍に期待がかかる。準決勝で見せたようなパフォーマンスを発揮し、68年ぶりとなる国内主要タイトルをクラブにもたらすことができるか。