王様ペレも神の子メッシが優勝する姿を見たかった 気づけば宿敵アルゼンチンを応援していたカタールW杯

現役時代にはワールドカップ優勝を3度経験したペレ氏 photo/Getty Images

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メッシが念願のワールドカップタイトルを手にした

世界最高のサッカー選手の一人であるパリ・サンジェルマンのFWリオネル・メッシ。昨年12月29日に82歳で亡くなったサッカーの王様ペレ氏も彼の魅力には抗えなかったようで、ワールドカップでは途中からアルゼンチン代表の優勝を願っていたようだ。
 
昨年11月から12月にかけて行われたFIFAワールドカップ・カタール大会。ペレ氏の母国であるブラジルはグループステージを2勝1敗で通過し、ベスト16でも韓国から4-1の勝利を収めたが、準々決勝ではクロアチアと激闘を繰り広げた末、PK戦で敗北。ベスト8という成績で今大会を終えていた。
 
その傍ら、メッシ擁するアルゼンチン代表はグループステージ初戦でサウジアラビアに負けるというまさかのスタートを切りながら、2勝1敗で決勝トーナメントに進出。オーストラリア、オランダ、クロアチアを倒して決勝に進むと、前回王者のフランスと相まみえ、PK戦の末、36年ぶりの優勝を勝ち取った。
 
そんな大会をペレ氏は病床から見守っていた。ペレ氏の娘であるケリー・ナシメントさんは先日Instagramを通じてペレ氏がどのようにワールドカップを観戦していたかを明かしている。病状が悪化していたペレ氏のためにもブラジルに優勝トロフィーを掲げてほしいという想いを周囲の人々は抱えていたようだ。しかし、ブラジルはクロアチアに負けてしまった。その後の様子についてナシメントさんはこのように述べている。
 
「ブラジルの敗戦後、その病室に入った人は皆(決勝戦まで毎日毎日)こう言った。『ねぇペレ? あなたは誰に勝って欲しいの? 当然アルゼンチンはノーだよ!』」
 
「そして彼はこう言った。『そうだ、アルゼンチンだ! このトロフィーは南米に留まるべきだし、メッシはそれに値する!』」
 
周囲の人々はペレ氏がブラジルの宿敵であるアルゼンチンの肩を持ったことに対して「ホラーだ」と驚いたという。残念ながらペレ氏は決勝戦をテレビで観戦することはできなかったようだが、アルゼンチンが勝ち、メッシがトロフィーを掲げたことを知って喜んでいたようだ。
 
大会終了から数日経ってペレ氏は旅立っていったが、今後も彼はメッシの活躍を天から見守っていることだろう。2002年以来となるブラジルのワールドカップ優勝も心待ちにしているはずだ。

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