5日、セリエA第25節フィオレンティーナ対ミランの一戦が行われた。ホームのフィオレンティーナは試合前の時点でリーグ12位に位置していたが、直近の公式戦4戦無敗と上り調子。強敵ミランを下してさらに勢いを増していきたいところ。
しかし、対するミランはフィオレンティーナ以上に好調。公式戦4連勝中であり、その全てを無失点で終えている。今回の試合ではFWラファエル・レオンとMFラデ・クルニッチが出場停止で欠場、MFブラヒム・ディアスもメンバー外となったが、負傷離脱していたMFイスマエル・ベナセルがスタメンに復帰。2シャドーにはFWアンテ・レビッチとFWチャールズ・デ・ケテラエルが入った。そして、ベナセルと同様に負傷離脱していたDFダヴィデ・カラブリアや、長期離脱していたDFアレッサンドロ・フロレンツィもベンチに戻ってきている。
序盤はフィオレンティーナがミランを攻め立てる展開となった。10分にはFWジョナタン・イコネが右サイドを突破。ドリブルでゴールに向かっていったが、ここはすっかり3バックの一角に定着したDFマリック・チャウが上手く対応した。
直後の11分、今度はチャウが最終ラインからのビルドアップ時にトラップをミスしてしまう。ボールを拾ったFWアルトゥール・カブラルがドリブルでゴールに向かうと、チャウがエリア外ぎりぎりでファウル。フィオレンティーナに絶好の位置でFKを与えてしまったが、MFジャコモ・ボナベントゥーラの低弾道のシュートは守護神マイク・メニャンがきっちりセーブした。
その後もフィオレンティーナの攻撃は止まらない。20分、FWニコラス・ゴンサレスの左足のシュートは再びメニャンがストップ。26分にはエリア内でパスを受けたボナベントゥーラが至近距離からシュートを放ち、今度はメニャンも防ぎ切ることができなかったが、DFフィカヨ・トモリがゴールライン上でなんとかクリアし、ミランは事なきを得た。
32分、ミランがようやくこの試合1本目のシュートを放つ。ベナセルの右サイド後方からのロングボールにFWオリヴィエ・ジルーが合わせ、左足でボレーシュート。これは惜しくもGKピエトロ・テラッチアーノの正面に飛んだ。
徐々に前に出ていけるようになったミランだが、ゴール前まで至ることができない。なんとかチャンスを作ったのは前半アディショナルタイム。デ・ケテラエルが左サイドで2人をかわす見事なドリブルを見せると、ファーに飛んだクロスにFWジュニオール・メシアスが反応。残念ながら彼のヘディングシュートは枠を捉えなかった。
0-0のまま迎えた後半。いきなりフィオレンティーナが試合を動かす。47分、イコネが右サイドをドリブルで切り裂くと、対応したトモリがエリア内で彼を倒してしまいフィオレンティーナにPKが与えられる。キッカーを務めたN・ゴンサレスが落ち着いてゴール右隅にシュートを決めた。
追いかける形となったミランは攻撃のスイッチが入る。51分、ジルーが左からのCKに頭で合わせると、55分にはレビッチがミドルシュート。58分には後方からのロングボールに抜け出したDFテオ・エルナンデスがキーパーと1対1の場面を迎えたが、いずれもテラッチアーノに阻まれた。
ミランのステファノ・ピオリ監督は66分に一気に交代カードを3枚切る。ジルー、レビッチ、ベナセルを下げてFWズラタン・イブラヒモビッチ、FWディボック・オリギ、MFティエムエ・バカヨコをピッチに送り出す。74分にはメシアスに代えてMFアレクシス・サレマーカーズを投入した。
78分にはミランに同点のチャンスが与えられかけた。サレマーカーズのCKをカブラルが弾くと主審がこれをハンドと判定。しかしオンフィールドレビューの結果、カブラルのクリアはヘディングであったことが確認され、ミランのPKは取り消されている。
すると87分、フィオレンティーナが試合の行方を決定づける2点目を奪う。DFドドが右から精度の高いクロスを上げると、途中出場のFWルカ・ヨビッチがダイビングヘッド。再三好セーブを見せていたメニャンもこれは防ぐことができなかった。
後半アディショナルタイム、攻め上がったT・エルナンデスが見事なシュートを決めミランが1点差に詰め寄ったが、追いつくことはできず2-1で試合が終了。見事に逃げ切ったフィオレンティーナがリーグ戦2連勝を飾った。一方、敗れたミランは9日に予定されているチャンピオンズリーグのトッテナム戦に向け不安を残す内容となった。