9日、チャンピオンズリーグベスト16の2ndレグ、トッテナム対ミランの一戦が行われた。1stレグはサンシーロにトッテナムを迎えたミランがMFブラヒム・ディアスのゴールを守り抜き先勝。ミランが1点をリードした状態での2ndレグとなった。
負傷者を除けば両チーム共にほぼベストメンバーで臨んだこの試合。唯一トッテナムはDFエリック・ダイアーが出場停止でメンバー外に。ミランはFWオリヴィエ・ジルーやB・ディアスの体調不良や負傷からの回復具合が心配されていたが、無事スタメン入りを果たしている。
トッテナムもミランも比較的ハイラインを保ち、コンパクトな陣形が上下動を繰り返す序盤となった。そんな中、先にシュートチャンスを作り出したのはホームのトッテナム。12分、カウンターから攻め上がると最後はDFエメルソン・ロイヤルへとボールが渡り、左足でシュート。これはミランDFにブロックされ、ディフレクションしたボールもGKマイク・メニャンがしっかりと抑え込んだ。
ミランも攻勢に出る。14分、B・ディアスのスルーパスが左サイドを抜け出したDFテオ・エルナンデスに通ったが、ここは上手く攻撃を完結させることができず。18分にはトリッキーなFKから右サイドにいたFWジュニオール・メシアスにボールが渡ったが、右足のシュートはゴール左へと外れていった。
ボールを回しながら様子を窺う時間が続く中、30分にミランのFWラファエル・レオンが得意のドリブルからチャンスを生み出す。左サイドをドリブルで進むとダイナミックなカットインから逆サイドのメシアスへ。パスを受けたメシアスも中央へカットインし、思い切りよくシュートを打ったが、ボールはバーの上へと超えていった。
35分、今度はトッテナムがミランゴールに迫る。右サイドから崩すと中央にポジションを取っていたエメルソンを経由し、再び右サイドのFWハリー・ケインへ展開。ケインのクロスはミランDFに当たって枠内へ飛び、メニャンの逆を突く形になったが、残していた左足で上手くセーブした。
前半はスコアレスのまま終了。0-0で後半を迎えた。すると51分、この試合最初の枠内シュートがトッテナムゴールに襲いかかる。ミランがカウンターを発動するとB・ディアスがエリア内に侵入。強引にシュートまで持っていったがここはGKフレイザー・フォースターが足でセーブした。こぼれ球にT・エルナンデスやレオンが反応したが、彼らのシュートも決まらなかった。
53分になると、トッテナムベンチが動く。MFイヴァン・ペリシッチを下げてMFペドロ・ポロを投入。エメルソンが左サイドへとポジションを移し、ポロがエメルソンのいた右WBに入った。一方のミランは56分にアクシデントが発生。メシアスが負傷したためMFアレクシス・サレマーカーズをピッチに送り出した。
この辺りから徐々にオープンな試合展開となっていく。64分、トッテナムがFWデヤン・クルゼフスキやケインの連携で右サイドを崩すと、MFピエール・エミール・ホイビュルクがエリア手前でこぼれ球に反応。エリア内へと侵入し強烈なシュートを打ったが、これはメニャンの正面に飛んだ。
67分、今度はミランがレオンとT・エルナンデスのパスワークで左サイドを突破。エリア内のB・ディアスへと繋がり、ジルーがシュートを打ったが、これもフォースターが防いだ。
70分にはトッテナムのアントニオ・コンテ監督が大胆な采配を見せる。エメルソンに代えてFWリシャルリソンを起用し、ケインとリシャルリソンの2トップのような形へと変えた。ところが77分、T・エルナンデスに激しいタックルを見舞ったDFクリスティアン・ロメロがこの試合2枚目のイエローカードを受けてしまい退場。10人でミランを追いかける難しい状況となってしまった。
後半アディショナルタイムに入るとトッテナムがFKから決定機を得る。ケインのヘディングシュートが枠を捉えたがここでもメニャンが立ちはだかった。その後、途中出場のFWディボック・オリギが右ポスト直撃のシュートを放つ場面もあったが、ゴールは生まれることなく0-0で試合は終了。1stレグに得た1点のリードをミランが守り切り、11年ぶりのCLベスト8進出を果たした。準々決勝でもこの安定した守備に期待したいところだが、一体どのような戦いぶりを見せるのか。