ケインも抑えた“4人合計5000万ユーロ”のコスパ最強DF陣 ミラン11年ぶりの快挙を生んだ先見の明

特にチャウの台頭は著しい photo/Getty Images

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直近6試合でわずか2失点のミラン

コストパフォーマンス抜群のディフェンス陣と言えるのかもしれない。9日に行われたチャンピオンズリーグベスト16のトッテナム戦2ndレグを無失点で終えたミランは、それほど多くの資金を費やさずに今のメンバーを揃えていた。
 
1月上旬のローマ戦から公式戦7戦未勝利と絶不調に陥り、1月末のサッスオーロ戦では5失点の大敗を喫するなど守備も崩壊していたミラン。ところが、続くインテル戦で布陣を[4-2-3-1]から3バックに変更すると失点が抑えられるようになり、2月11日のトリノ戦から2月27日のアタランタ戦までは4試合連続勝利&クリーンシートを達成した。
 
そして迎えた今回のトッテナム戦2ndレグ。1stレグではGKマイク・メニャンやDFフィカヨ・トモリが負傷離脱中だったため、GKチプリアン・タタルシャヌ、DFマリック・チャウ、DFシモン・ケアー、DFピエール・カルルの4人で守備を支え、見事1-0の完封勝利を成し遂げていた。今回の2ndレグでは復帰したトモリ、メニャンがスタメン入りを果たし、チャウ、カルルと共に盤石の体制でトッテナム攻撃陣に対抗。枠内シュートをMFピエール・エミール・ホイビュルクとFWハリー・ケインの2本に抑え、その2本もメニャンがきっちりとセーブしている。
 
ゴールこそ奪うことができなかったものの、1stレグで得た1点のリードを守りきったミランは11年ぶりのCLベスト8進出を達成している。この結果を受け、移籍市場に精通するイタリア人ジャーナリスト、ファブリツィオ・ロマーノ氏はメニャン、トモリ、チャウ、カルルの4人の移籍金額をTwitter上で改めて発表。2020年夏にやってきたカルルは移籍金なし、2021年夏に買取オプションが行使されたトモリは2900万ユーロ(約42億円)、2021年夏に移籍してきたメニャンは1500万ユーロ(約22億円)、2022年夏にやってきたチャウは600万ユーロ(約8.6億円)であり、4人の移籍金を合わせても5000万ユーロ(約72億円)となっている。
 
強いて言えばトモリの買取にはそこそこ資金を費やしているが、今の活躍を踏まえれば他の3人は破格の値段だったと言っていいだろう。ミラン首脳陣の先見の明やステファノ・ピオリ監督を始めとするコーチ陣の指導力が、3バックへの布陣変更とかけ合わさり、大きく実を結んでいる。

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