GKから徹底的に繋ぐスタイルはリスクが大きい? バイエルン対PSGで両軍に起きた決定的ミス

PSGはヴェッラッティのロストから失点 photo/Getty Images

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展開できればチャンスに繋がるが……

近年のサッカー界はGKにも足下の技術を求めるのが当たり前となり、ビルドアップの際にGKを使って数的優位を確保するケースが増えている。

例えばGKがボールを持ったタイミングでセンターバックがワイドに開き、そこに降りてきたアンカーの選手にGKから縦パスを当てて展開するといったパターンも見慣れたものとなってきた。

しかし、自陣でのパス交換にはリスクも生じる。データサイト『WhoScored』が注目したのは、パリ・サンジェルマンMFマルコ・ヴェッラッティのドリブルだ。
パリの中盤で攻撃を組み立てる役割をこなすヴェッラッティは今季のチャンピオンズリーグで18回のドリブルを試みているが、そのうち7回が失敗となっている。中盤の低い位置でボールを捌くことの多い選手としては、やや失敗が目立つか。

8日に行われた決勝トーナメント1回戦2ndレグ・バイエルン戦では、それが最悪の結果を招いた。

自陣ペナルティエリアでボールを受けたヴェッラッティは、背後から相手のプレスを受けてもドリブルで局面を打開しようと試み、結果的にはボールを奪われて失点した。セーフティに蹴り出す手もあったかもしれないが、繋ぐ意識が強すぎるあまり危険な自陣でのボールロストに繋がった。

このゲームでは前半にバイエルンGKヤン・ゾマーもペナルティエリアでボールをロストする致命的なミスがあり、ヴィティーニャのシュートをDFマタイス・デ・リフトが必死で弾き出すスーパークリアで事なきを得た場面があった。

自陣ペナルティエリアから正確にボールを繋ぎ、相手のプレスを剥がすことができればチャンスに繋がる。しかし、繋ぐことにこだわりすぎると決定的なミスを招きかねない。このゲームでヴェラッティは92%のパス成功率を記録しているものの、あの致命的なミスもあって同サイトはチームワーストとなる5.86点と厳しい評価を下している。

どこまでリスクを負ってボールを繋ぐべきなのか。自陣深くからの繋ぎはチャンスとリスクが混在しており、判断の難しいプレイとなっている。

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