［MIXゾーン］後半ATに勝点がすり抜けたG大阪、宇佐美も複雑な表情　「自分たちの首を締めている」「たかが4試合」

G大阪は開幕4戦未勝利と早くも苦境に（写真はイメージ） photo/Getty Images

未勝利で17位と低迷

開幕3節でともに勝利のないG大阪と広島。どちらが先に白星を手繰り寄せるのかが注目された一戦だったが、試合は拮抗した内容のまま1-1で迎えた後半アディショナルタイムに、広島が劇的なPKを決め、勝点3を手中に収めた。

ホームで勢いに乗りたかったG大阪だったが、白星はおろか勝点1すら失う結果となった。ただ試行錯誤を続ける中で、後半は厚みのある攻撃を見せることに成功した。特に今季キャプテンを務めるMF宇佐美は素晴らしいプレイを随所に披露。同点ゴールを決めた。ただその後チームはミスから失点し敗れた。ミックスゾーンに現れた彼の表情は険しいまま。試合後に話を聞いた。

「広島はプレッシングのタフなチームと分かっていて、まずひとつ（先制点を）プレゼントしたのでは話にならない。（ゲームの）入りは集中しているつもりですが、神戸戦から続いているので自分たちで自分たちの首を絞めているのは見ての通りだと思います。絶対見直していかないといけない部分だと思います」

後半流れが変わり、G大阪の時間帯が生まれた。

「相手はマンツーマン気味にタフに戦ってきた中で後半少し落ちました。その中で自分たちはギアを上げていい時間帯を過ごせた。ただ1点取ったところで加速しなくてはいけない時に加速できなかったです。そこで押し返されてしまった。そこはまだまだ未熟な部分。畳みかけないといけない時に少しエンジンを弱めてしまった」

「（広島の決勝点は）相手に主導権を渡していたからこそ生まれた失点だと思います。もっと相手のコートでやっていれば失点はなかった」

一時は同点となる自身今季2ゴール目を決めたが「（自身のゴールは）パスがすごくよかった。前半からあそこを狙っていました。ただ2点目、3点目という展開を望んでいたんで、そこでできなかったことがチームとしての今の弱さというか、勝てない要因だと思います」

「2列目から飛び出しての形は自分が一番求めている形。作りながらというか。ただもっともっと（ボールに）絡んで、もっともっとチャンスを作り出すことはできると思うので、まだまだ自分も修正していかないといけないと思います。チームとしても多くありますし」と課題が口をついた。

それでもチームを引っ張る主将として、顔を上げて前だけを見据えた。

「まだ4試合なんで。勝ててないことはサポーターには申し訳ないですが。たかが4試合なんで。落ち込むというか、自分たちのサッカーに疑問を持つというか、それが一番やっちゃいけないこと。続けていくこと。積み上げて積み上げてやっていくだけだと。必ずどっかでカチッとはまるタイミングがくると思います」

昨年、シーズン終盤まで苦しみぬいたG大阪。果たして今は産みの苦しみなのだろうか？　それを一番知りたいのは宇佐美自身かもしれない。

取材・文／吉村憲文