1ヵ月余りで2度退場も“悪意”はなし 激しくても「決して人を傷つけてはいけない」がカゼミロの信条

悲しそうに退場していったサウサンプトン戦のカゼミロ photo/Getty Images

マンUにとっては再び痛手となる

プレミアリーグでプレイしていく上で一番の課題と言えるか。マンチェスター・ユナイテッドのMFカゼミロはここ1ヵ月余りでレッドカードを2枚も受けてしまっている。

問題が起きたのは12日に行われたサウサンプトン戦。この試合に先発出場したカゼミロはMFカルロス・アルカラスに足の裏を見せながらタックルしてしまい、34分に一発退場となった。ボールに先に触っていたようにも見えたが、その後、スパイクのスタッドがアルカラスのすねを捉えた。

カゼミロは先月上旬のクリスタル・パレス戦でもレッドカードを受けたばかりだった。その際は乱闘騒ぎの中で相手の首に手をかけたことがレッドカードの対象となってしまった。

サウサンプトン戦のファウルもパレス戦の行為も、見方次第で退場処分に値したかどうか意見が分かれそうなところだが、少なくともカゼミロに相手を傷つけようという意思はなかったはずだ。英『Manchester Evening News』によると、彼はレアル・マドリード時代の2022年2月に応じた『Revista Panenka』のインタビュー内でこのように述べていた。

「レフェリーもファンも悪意がないことがわかるかどうかが全ての鍵だと思う。僕はいつもボールを奪いにいこうとするし、強くいこうとする。そういうインテンシティの高いプレイが好きなんだ。だけど悪意はない。選手を傷つけるためにスパイクを履いたことは一度もない」

「選手を侮辱することもないし、間違ったことをするつもりもない。もちろん、フィールドにいれば選手を刺激することもあるだろうけど、それは普通のことだ。それぞれが自分の立場を守ろうとすればそういうことは常に起こりうる。でも僕が母に植え付けられた価値観は『決して人を傷つけてはいけない』というものだ」

「サッカーはファウルやカードをもらったりするものだから、今後もそういうことはあると思うけど、『人のことを絶対に傷つけてはいけない』という母から教わった価値観を僕は持ち続けるよ」

英『Manchester Evening News』によると、カゼミロはマンUにやってくるまで一発退場を喰らったことが一度もなく、イエローカード2枚で退場となったこともわずかに2回だった。つまり、プレミアリーグに来てから急にレッドカードを受けるようになってしまった訳だが、その要因にはプレミアリーグの審判からの印象が悪いということが挙げられるか。

悪意があろうとなかろうと危険なプレイや行動はしっかりと裁かれるべきだが、カゼミロの場合はもう少し悪意のなさを強調していく必要があるのかもしれない。持ち前のプレイ強度の高さや気持ちの強さは失うことなく、レッドカードだけを避けていく彼の姿に期待だ。

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