イタリアから生まれなくなった“スターFW”の存在 足りないのは南米に残るストリートサッカー?

トッティなど華のある選手が多かった photo/Getty Images

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24日にイングランドと対戦する

フランチェスコ・トッティ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、フィリッポ・インザーギ…… 優勝した2006年ワールドカップ・ドイツ大会では前線に数多くのタレントが揃っていた。近年のイタリア代表はその頃に比べると小粒になった感が否めず、ロベルト・マンチーニ監督もイタリア人FWの不作を嘆いている。

EURO2020こそ優勝したものの、ワールドカップは2大会連続で本戦出場を逃しているイタリア代表。今月下旬のインターナショナルマッチ・ウィークでは早くもEURO2024予選が幕を開け、イタリア代表はイングランド、マルタと対戦する。この試合に向けた30人のメンバーには、DFレオナルド・ボヌッチやMFジョルジーニョ、MFマルコ・ヴェッラッティ、GKジャンルイジ・ドンナルンマといったお馴染みの選手が選ばれた他、ティグレでプレイする23歳のアルゼンチン出身FWマテオ・レテギなど何人かの初招集メンバーも名を連ねている。

英『BBC』によると、マンチーニ監督は現イタリア代表の前線の層の薄さに懸念を示している。最近ではチャンピオンズリーグのベスト8にイタリア勢から3チーム(ナポリ、インテル、ミラン)も進んだことが話題となったが、それが代表の強化に繋がっているわけではないと不満を漏らした。
「なぜストライカーが少ないのかわからないし、我々はフォワードの選択肢が非常に限られている」
  
「チャンピオンズリーグの準々決勝には3チームが勝ち進んでいるが、この3チームの中にいるイタリア人はせいぜい7、8人。これが現実だ」

現在セリエAの得点ランキングトップ10に入っているイタリア人は、9ゴールで7位タイにつけているラツィオのFWチーロ・インモービレとFWマッティア・ザッカーニの2人だけ。マンチーニ監督はイタリア人トッププレイヤーが減っている理由も推測しており、このようなコメントを残している。

「昔は街中で3、4時間プレイしてからトレーニングに行ったものだが、今ではもうそんなことはない。ウルグアイやアルゼンチン、ブラジルなどではいまだにたくさんの選手がストリートでプレイしているが、こういった国から選手が発掘されるのは偶然ではない」

マンチーニ監督の説が正しければ、イタリアがかつてのようなスター軍団となることはもうなさそうだが、今の時代に則したルートから新たな才能が出てくることも十分ありえるだろう。EURO2024や2026年ワールドカップに向け、イタリア人トッププレイヤーが少しずつでも増えていくことに期待だ。

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