“メッシのような10番”になったリヴァプールの名DF 38歳シュクルテルはスロバキア8部でサッカーを続けている

リヴァプールを後方から支えたシュクルテル氏 photo/Getty Images

新境地を開いている

キャリアを重ねるにつれポジションを変えていく選手は珍しくないが、センターバックの選手がトップ下としてプレイするようになるなんてことは滅多にない。しかし、元プロの選手がアマチュアのチームでプレイするとなればそれは十分ありえる話のようだ。リヴァプールで活躍した元DFマルティン・シュクルテル氏がそれを体現している。

2008年にゼニト・サンクトペテルブルクからリヴァプールへとやってきたシュクルテル氏。長年センターバックのレギュラーとして活躍し、2011-12シーズンにはリーグカップ制覇に大きく貢献。2016年にフェネルバフチェへ移籍すると、アタランタ、イスタンブール・バシャクシェヒルといったクラブを渡り歩き、2022年5月に現役引退を表明した。

英『The Athletic』によると、38歳となったシュクルテル氏はまだ完全にスパイクを脱いだわけではなく、スロバキア8部リーグのアマチュアチーム、FKハイスカラ・ラストツノでプレイしている。同メディアのインタビューに応じたシュクルテル氏は、そこでの役割についてこのように明かしている。

「僕は実際に10番としてプレイしている」

「最初の試合に出たとき、いつものセンターバックのポジションで出ると言ったんだけど、10分後に監督が『聞いてくれ、6番としてプレイするのはどうだ』と僕に言ってきた。その10分後、今度は僕が『もっと高い位置でプレイするのはどうだろう』と言ったんだ」

「ストライカーとして何試合かプレイして、何回かゴールを決めた。今はもう少し低い位置でプレイしているよ。基本的には好きなところに走っている。リオネル・メッシのような自由な役割だ」

ハイスカラ・ラストツノはシュクルテル氏の生まれ故郷のチームのようで、「『いつか引退したら、故郷に帰って君たちとプレイする』と友達に言っていたんだ」「僕の両親はまだそこに住んでいるし、友達もたくさんいる。彼らのためにプレイしているんだ」と述べている。

引退の原因となった背中の痛みには今でも悩まされているようだが、また新たな形でサッカーを楽しめているのは幸せなことだろう。今後もシュクルテル氏は“ハイスカラ・ラストツノのメッシ”としてチームを勝利に導いていくはずだ。

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