[西岡明彦]立て直しのカギはSD招聘 来季のトッテナムはどうなる!?

プレミア最強ガイド #102

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トッテナムの会長であるレヴィ氏 photo/Getty Images

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 今シーズンも残り1ヶ月を切り、来季に向けた編成業務が忙しくなってきました。アントニオ・コンテ体制が不調に終わりシーズン半ばで路線変更を余儀なくされたトッテナムですが、頭を悩ませているのは監督人事だけではないようです。

 コンテ解任後に暫定監督を務めたクリスティアン・ステッリーニでは状況を好転させることが出来ず1カ月も経たないうちに再度解任する事態に。ライアン・メイソンに託したことで少し落ち着いたダニエル・レヴィ会長ですが、チャンピオンズリーグ出場権獲得が絶望的となった状態で有能な指揮官を招聘することの難しさを実感しています。

 昨年10月、17位に低迷していたレヴァークーゼンの監督に就任し、欧州カップ戦出場権が争えるポジションまで回復させ、ヨーロッパリーグでもベスト4進出を果たしたシャビ・アロンソ監督。この監督キャリア1年目のスペイン人指揮官をレヴィ会長は高く評価していますが、「噂が出るのは良くあることだが、達成すべきことが沢山ある。私の頭はここにあるし、来季に向けて100%集中している」と、アロンソ自身は続投に意欲を示すコメントをしました。本心なのか交渉の駆け引きなのかは本人のみ知るところですが……。
 またそれ以外にも3月末にバイエルンの職を解任されたユリアン・ナーゲルスマンや、バーンリーをプレミアリーグ昇格に導いたヴァンサン・コンパニなどをリストアップして状況調査したとのニュースが明らかになりましたが、そこで問題となってくるのが契約交渉役の存在です。

 これまでスパーズはマネージングダイレクターを務めていたファビオ・パラティーチが交渉業務を統括していましたが、ユヴェントスで発覚した一連の不正会計疑惑の中で当時同クラブの職員だったパラティーチ自身も処分対象であるとして、イタリアサッカー連盟及びFIFA(国際サッカー連盟)から2年半の活動禁止処分を受けてしまいました。1月以降、同ポストは不在の状態が続いており、候補者との面談や交渉も円滑に進んでいないとのこと。レヴィ会長にとって監督人事や選手補強の交渉以前に、優秀なスポーツダイレクターの招聘が急務となっている状況なのです。

 チェルシーを例に挙げれば、昨年5月に新オーナーとして着任した米国人のトッド・ベーリーがグレアム・ポッター監督の招聘はもちろん、1月の移籍市場における選手補強を一手に引き受けていましたが、残念ながら思い描いた成果には繋がりませんでした。選手を仲介する代理人とのネットワークや水面下での交渉術を持つ経験豊富なダイレクターの存在が必要不可欠なのです。

 レヴィ会長の人選や決断は如何に。


 文/西岡 明彦

電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)281号、5月15日配信の記事より転載

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