ナポリに33年ぶりの栄光をもたらすも…… 名将は今季終了後にチームを去る?

ナポリに33年ぶりのスクデットをもたらした名将スパレッティ photo/Getty Images

人々にふさわしいものを与えられる確信がない

ナポリの指揮官を務めるルチアーノ・スパレッティ監督は、今季終了後にチームを去る可能性が高そうだ。

2021年夏にナポリの指揮官に就任した現在64歳のスパレッティ監督。就任1年目の昨季はセリエAを3位で終え、3年ぶりにCL出場権をもたらしていた。そして2年目の今季は、ロレンツォ・インシーニェやカリドゥ・クリバリ、ドリース・メルテンスといった長年の主力たちが多く退団したにもかかわらず、チームをさらに躍進させる。

スパレッティ監督は新エースとしてヴィクター・オシムヘンを本格覚醒させたほか、新戦力のクヴィチャ・クワラツヘリアやキム・ミンジェをすぐさまチームへフィットさせる。すると、開幕戦から15試合も無敗をキープするなど、前半戦の黒星はわずかに1つのみ(16勝2分1敗)。第7節から譲ることなくセリエAの首位を独走し、ナポリに33年ぶりとなるスクデットをもたらした。

こういった手腕が認められ、スパレッティ体制の来季以降の続投とともに、ナポリ側はこの名将に対して新たな契約を用意しているとの噂もあった。しかし、ここにきて名物会長であるアウレリオ・デ・ラウレンティス氏との関係が悪化。新契約の締結に近づいているとの報道から一転して、今季限りでチームを退団する可能性が国内では取り沙汰されているのだ。

そんな中、21日に行われたインテル戦後に、スパレッティ監督が自身の去就についてコメント。英『Football Italia』は「この件は決定されたんだ。毎日考えが変わるわけでもないしね。この状況は、しばらく前から生じていた。朝から晩まで働いていると、常にこの光景を見なければならないため、いくつかの考えが頭の中で熟成されがちだ」と指揮官のコメントを伝えるとともに、「スパレッティはスクデット獲得後にナポリを離れることを事実上認めた」と取り上げた。

さらに同指揮官は「人々にふさわしいものをすべて与えることができるという確信が持てないのであれば、よく考えてみることが正しいと思う。じっくり考えて結論に達し、それを貫く。これはどこからともなく降ってきたものではないんだ」とも述べていたという。

スパレッティ監督はどうやら、今季ブレイクを果たした主力選手たちが引き抜かれる可能性やクラブの方針などを踏まえつつ、33年ぶりの栄光を獲得した今季以上の喜びを、今後に得るのは難しいと頭を悩ませていたとのこと。その結果、「人々にふさわしいものを与えられる確信がない」として、優勝を置き土産に「チームを去る」という決断に至ったようだ。

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