ロナウジーニョ、バッジョらサッカーから消えたファンタジスタ 「今はゾンビが90分間走り続けて……」

ロナウジーニョは魅せるプレイで観衆を盛り上げた photo/Getty Images

よりサッカーはフィジカル重視へ

近年のサッカーはプレイスピードも飛躍的に上がっており、フィジカルの部分で選手に求められるものは多い。豊富な運動量、スピード、戦術理解力などはトップリーグで活躍する必須条件である。

その一方で、予想外なドリブルやパスで局面を変えてしまうファンタジスタ系プレイヤーは減少傾向にある。現代ではファンタジスタと呼ばれる選手を探す方が難しいかもしれない。

現在欧州最強チームの1つと考えられるマンチェスター・シティにも、そういった閃きで勝負する選手は少ない。MFケビン・デ・ブライネのパスには驚きの要素も多いが、それもチームの規律を守ったうえでのパスだ。好き勝手にプレイしているわけではない。

英『Football365』はファンタジスタが減少している点に触れており、現代の傾向に寂しさもあると取り上げている。

「どこからともなく魔法を発揮する異端とも言える背番号10がいた日々が懐かしい。彼らが消えた原因は、プレッシングへの執着だ。選手たちはより激しく、より多くの距離を走ることが求められている。近年の指揮官はピッチ上で予測不能なプレイをする選手を好まない。指揮官は選手に創造的な自由を与えて美しくプレイするより、知性のない11人のゾンビが90分間走り続けることを望んでいる。マラドーナ、バッジョ、トッティ、カントナら予測不能な選手が不足しているのは非常に残念だ」

昔に比べて戦術のレベルが上がっているのも確かで、ファンタジスタ系のアタッカーが通用しない時代になったとも言える。だが、フィジカル面が強調されすぎることには少しの寂しさもあるか。

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