J2首位・町田、“パーフェクトなゲーム”で上位対決を制すも さらなる高みを目指す黒田監督はまだまだ満足していない

今季から町田を率い、チームを躍進させている黒田監督 photo/Getty Images

『PKだからいい』とは捉えずに反省材料

FC町田ゼルビアは11日、明治安田生命J2リーグ第20節でV・ファーレン長崎と対戦し、4-1の快勝を収めた。この結果、2位との勝ち点差「8」をしっかりキープし、首位を独走している。

4位につける長崎をホームへ迎え入れた町田は、相手にほとんどチャンスを作らせず、悪天候の中でも終始危なげない試合運びを見せる。すると、ミッチェル・デュークとエリキが、ともに前後半にゴールネットを揺らし、この一戦で2ゴールずつを挙げる大活躍。守っても、終盤にPKを許して1点返されたが、自慢の堅守を披露して見せたのだ。

試合後、インタビューに応じた黒田剛監督も「パーフェクトなゲーム」と、この上位対決を制した選手たちを称えた。ただ、さらなる高みを目指す上での反省点もあるようで、長崎戦を次のように振り返っている。

「今日は首位と4位の対決ということで、かなり拮抗したゲーム、または対人のところで激しく繰り広げられるのではないかという想定の中で、試合に入りました。予想以上に(長崎は)FWフアンマ(・デルガド)を中心とした攻撃で、そこからセカンドボールを拾う形を志向してくる中で、我々はDF藤原優大、DFチャン・ミンギュ、ボランチあたりがセカンドボールの回収を含めてしっかりケア。フアンマを孤立させるような形で準備ができました。カウンターを許さず、相手がフィニッシュまで行けない状況を作り出せていたかなという印象です」

「また、攻撃に関しても、前半からかなり多くのチャンスを作れました。エリキに関しても、(ミッチェル・)デュークに関しても、今日はかなり身体の軽い状態で試合に入れていたと思います。クロスに対しても飛び込んで行けたり、この試合では相手のGKが大きかったため、できるだけ早くて低いクロスを理想としていましたが、まさしくその形から1点取ることができました。そして、(2点目の)ロングスローのこぼれ球ですけど、エリキがしっかり仕事を、役割を果たしてくれました。この2点が前半に取れたことで、ゲーム運びとしてはかなりありがたいような状況となりました」

「後半は『このまま絶対にいかないぞ。2-0のまま、後半20分までは我慢しよう』と選手たちに伝えたんですけども、『隙あらば』という中で、早い段階で3点目を取れました。相手に与えるダメージをすごく加速させるものでした。ただ、最後に交代出場した沼田(駿也)がちょっと大振りをしたところで、相手にPKを与えてしまった。あの辺はコンパクトな振りのクリアでも全然よかったかなと思いますし、反省点となります。もし0-0の拮抗した試合であれば、ああいった1本が最終的には敗戦につながるポイントになってしまう。その辺を含めて、この1点を『PKだからいい』とは捉えずに、こういった1点でも『与えてはいけない』として、次の栃木戦に向けた反省材料としてトライしていければなと思います。とはいえ、トータル的には90分間運動量が落ちることなく、相手の長所をしっかりつぶせるような形で攻撃に結びつけることができたことを含めて、パーフェクトなゲームだったんじゃないかなと思います」

前節ジェフユナイテッド千葉戦での勝利(2-0)で、すでに今季前半戦を首位で折り返すことが決まっていた町田。長崎を撃破し、さらに勝ち点「3」を積み上げて見せたが、黒田監督はまだまだ満足はしていない。

「『首位ターン』というのは、私の中ではあまり重視していません。(7試合を1つの区切りと考えている中で)第3ターンが終わるまでに勝ち点45を積み上げるのがあくまで目標でしたので、今日その『45』に到達することができました。高い目標ですけども、しっかりと第1ターン、第2ターン、第3ターンとやってこれている。選手たちが本当によくやってくれていると思います。ただ、次の21節(栃木SC)に勝って、貯金を3つ増やした状態で折り返せることが、我々にとっては一番重要なことです。首位で折り返せればいいというわけではなく、勝ち点にこだわっていきたいです」

J2は早くも20試合が消化されたが、はたして首位に立つ町田はこの勢いで王座への階段を駆け上がることができるのか。

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