これがG大阪の真の姿? 3連勝で暗黒のトンネルを抜けたか 

リーグでは上り調子のG大阪(画像はイメージ) photo/Getty Images

 リーグ戦ではホームのG大阪は連勝と上り調子。ただ水曜に行われた天皇杯ではJFLの高知に敗戦。どちらが本物のG大阪なのかが問われる。逆にアウェイのFC東京は2試合連続3失点で連敗を喫している中での試合。守備の立て直しが急務になる。

 ゲームは立ち上がりからG大阪の前線からのプレスが機能し、FC東京を押し込む展開に。ジェバリの2ゴール、更に半田の追加点でG大阪がリーグ戦3連勝を飾った。一方FC東京は最後の最後に塚川が意地のゴールを決めて見せたが、内容も含めて完敗だった。試合後の両チームの選手の表情には大きな違いがあった。
 
 FC東京唯一のゴールを決めた塚川は「(状況は)厳しいんじゃないですか。(ゴールは)たまたまです。徳元が良いボールをくれて、(スペースに)入っただけなので良かった」。

 3試合連続3失点になり、改善点を問われたが「どうなんですかね、監督が知ってるんじゃないですか」。

 リーグ戦は約2週間空くが修正点を問われ「(長い沈黙があってから)まずは監督も今日は『守備から』といっていたので、やっぱり守備のところ。失点が多いチームは勝てないと思うので、そこは改善しないといけないと思う」。

 青木のケガで前半からピッチに入った東は「急遽入って、入ったころには結構バタバタしてる状態で。前半プレスもいけず、セカンドも拾われるって状態で、耐え切れず2点取られ、(試合を)難しくしてしまった。色々課題はある。勿論守備もだが、攻撃も守備も両方が中途半端になっているところがある」と語る。

 前半戦を終わって勝ち点19という数字には「後半戦はもっと勝ち点積み重ねていかないといけない。自分たちが目指すところではない。自分自身ももっともっとやっていかないといけないと、選手全員そういう気持ちだと思う」。
 
 これで3試合連続3失点となったが、首位のリーダーである森重は「セカンドが(相手に)こぼれたり、FWに収められたりと、起点を作られ、そこから攻撃につなげられてしまった。そこをうまく封じることができなかったのは反省。ただいい攻撃もあり、どっちに点が入ってもおかしくない中で自分たちの守備に隙があった。改善していくしかない。週明け、みんなでやっていくしかない。自分たちが招いた結果なので。この状況をひっくり返すしかない」

「攻撃と守備のバランスが大事なのはわかっているので、攻撃が良くても守備で3失点してしまうと難しい試合になってしまう。明らかに修正点は守備。CBとしてそこは反省しないといけない」

「ここ数年で見ても一番勝ち点低い。それが今の自分たちの順位。しっかり自分たちの中で受け入れて、もっと練習してうまくならないといけない」

 言葉を絞り出した。
 
 一方これでリーグ戦3連勝となったG大阪。3トップの左に入った倉田は「(ゲームの)入りのところは気を付けようと。リーグでは2連勝できていたので、みんながゴールにゴールにって練習できていた。今日もやろうって。勢いで相手を押し込めたところもあった。(天皇杯の負けの影響は)少なからずあるし、やっぱりそれを教訓に生かしたことは良かった」

「やっとガンバらしい形で崩せるようになってきた。みんなのつながりもできつつある。欲を言えば前半にあれだけ決定機があって、2点というのは危ないので。前半で試合を決められるくらい点を取りたかった。しっかりポゼッションするとこはポゼッションしてというのは狙いだった。今日やっていてみんな楽しそうに、イキイキした顔でやっていた」

 チームメイトの信頼感も徐々に生まれているようだ。

「ジェバリは頭がいい選手。チームに還元しようとやってくれている。みんなも信頼している。試合中には英語でいいコミュニケーションが取れている」

「もっと相手を圧倒したいし、もっとポゼッション率も、決定機も増やしたい。まだ(順位は)下の方なんで全然安心はできないと思う。修正するところは今日の試合も沢山あると思う」

 チームがオートマティックに機能する上で「(逆サイドのインテリオールを簡単に見つけられるようになったのは)練習からやっているから、ちょっとずつ意識がしみ込んでいる。いい傾向だと思う。考えながらやっていた部分が多少なりともあった。それが慣れてきた、メンタル的にもいい循環だと思う」と手応えを語った。

 そしてこの試合で2得点。勝利の立役者となったジェバリ。

「良い試合だった。良い流れでこのように試合を終えられたのは良かった。インテンシティーも集中も高くて、自分たちの闘志の炎を燃やして試合に臨めたのは非常に良かったし、それが結果に表れて良かった」

「うまくバランスのとれたティキタカ(パスサッカー)と、そこからダイレクトにプレイができている。そして自分のところにここ数試合、特にボールが入ってくるようになっている。そこはポジティブに感じている」

「来日してから不運なケガが続いていた。(それでも)ケガを抱えていてもプレイしたいといっていた。100パーセントに近づいている。治療にかかわってくれたメディカルスタッフには感謝している。自分はポストだけではなく、自分から起点となり、1対1も仕掛けたい。持っている能力が表に出てきた」

「フィジカル的に上がっているのは確かで、それとチームメイトが自分のことを信頼してくれている。自分の中のケガをするんではないかという怖さがなくなっている」

「ストライカーとしては得点することは非常にうれしいが、誰が得点するかは正直関係ない。半田も得点したし、一番重要なのはチームとして勝ち点3を取ること。それが達成できたのは自分の中で収穫だ」

 穏やかな表情とは裏腹に、言葉には自信がみなぎった。

 最後に試合を決める3点目のゴールを奪った半田。

「良い時間帯に決めることができたのかなと思う。勝てていない時はボールの支配率は高いけど、という試合が多かった。最近はよりゴールに向かえているので、(ポゼッションの)数字は下がるが点が入って勝てている。僕はそこまで支配率にこだわらず、そこにストレスは感じていない。

「(天皇杯で負けて)多くのサポーターに来ていただいた中での結果だったので、今日は絶対に勝たないとという気持ちだった。(ゴールは)最初自分で触った後、自分で運ぼうかと思ったが、ファンアラーノがきていたので後はゴールに向かってって感じだった。やっぱりホームで取れたことが嬉しいし、J1初ゴールをG大阪というクラブで取れたことがすごく嬉しい」

 今後の課題を問われると「チームとしてはカウンターの精度、遅攻の精度を上げないといけないし、奪った後の1本のパスをつなげられるようになれば、楽にゲームを運べるようになると思う。相手のロングボールも味方につけられるようになれば、もう少し落ち着けると思う。個人としては自分の特徴の1対1をもっと強くしないといけない。その中で結果を残していきたい」と語った。

 暗黒のトンネルを抜け3連勝のG大阪、3試合3失点で3連敗のFC東京。リーグ戦後半、両チームの戦いはどのようなものになるのだろう。

 文/吉村 憲文

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