サッカー界にトリッキーな“ドリブラー”はもう不要? ボールロストを極度に嫌う傾向に面白さが薄れるとの見方も

ヴィニシウスはリーガを代表するドリブラーだが…… photo/Getty Images

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求められるのは派手さより確実性

元バルセロナのロナウジーニョやリオネル・メッシなど、リーガ・エスパニョーラではドリブルを得意とするスタープレイヤーたちが数多くプレイしてきた。

しかし、より細かい戦術論が浸透する現代サッカー界においてトリッキーなドリブルは不要との考えも広まりつつある。

スペイン『as』は各クラブが選手のボールロストを過剰に嫌がる傾向にあり、ドリブラーと呼べる選手が減少傾向にあると気にかけている。試合に勝利するうえでドリブルが必要かは意見が分かれるところだが、同メディアはサッカーの人気低下に繋がるのではと警戒しているのだ。
中でもリーガ・エスパニョラの各クラブは特にドリブルによるボールロストを嫌がる傾向にあると同メディアは分析している。これはポゼッションの意識が影響しているのかもしれない。

今夏には、昨季のドリブル成功数第2位だったマジョルカFWイ・ガンインがパリ・サンジェルマンへ、第3位だったビジャレアルFWサミュエル・チュクウェゼがミランへ移籍しており、今のリーガでドリブラーと呼べるのはレアル・マドリードFWヴィニシウス・ジュニオールくらいなのかもしれない。

ヴィニシウスはブラジル人アタッカーらしいトリッキーなプレイも得意だが、同メディアはトリッキーすぎるドリブルはスペインで『挑発的でリスペクトを欠く』と嫌われることもあると伝えており、以前バルセロナでFWネイマールがヒールリフトを見せた時も乱闘騒ぎに繋がったことがあった。

過去のサッカー界に比べると、ドリブラーに求められるのは観衆を沸かせる派手なドリブルよりも、ボールロストに繋がらない成功率の高いドリブルだ。ドリブルだけがサッカーではないが、ロナウジーニョのようなファンタジスタ系の選手が生まれにくい環境になってきているのは確かだろう。もっと予想のつかない派手なプレイが見たいと考える人たちにとっては、物足りない時代なのかもしれない。

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