[西岡明彦]トラブル続きの新生ブルーズ、かつての輝きを取り戻せるか

今季から主将となったR・ジェイムズ photo/Getty Images

プレミア最強ガイド #105

 マウリシオ・ポチェッティーノ監督が就任し、昨季12位という不本意なシーズンからの復活を図っているチェルシー。そんな中、ネガティブなニュースが続き、前途多難な船出となっています。

 7月、UEFAからファイナンシャル・フェアプレイ(FFP)規則に違反したとして860万ポンドの罰金を科せられたチェルシー。前オーナーだったロマン・アブラモビッチ体制下だった2012年から2019年の間に不完全な財務情報を提出していたことを現オーナーの米国人投資家トッド・ベーリー氏率いるコンソーシアムが報告したことが処分の発端となりました。

 現在、プレミアリーグも財務規則違反の可能性を調査しており、もし処分に相当するとの見解に至った場合には、罰金処分に留まらず、リーグの勝ち点剥奪というさらに重いペナルティが科せられる可能性もあると報じられています。

 ピッチ内では期待の新戦力が戦線離脱することになりました。フランス代表FWのクリストファー・エンクンクが先週シカゴで行われたドルトムントとの親善試合で左膝を負傷、22分で交代する事態となりました。米国からロンドンに戻った後、検査及び手術を行った結果、長期間の戦線離脱になることが判明。まだクラブから具体的な復帰時期の見込みは発表されていませんが、復帰時期は12月頃になるのではないかと見られています。

 ライプツィヒから5,200万ポンドの違約金で加入した25際のエンクンク。ビジャレアルから加入したセネガル代表FWニコラス・ジャクソンとの連携も高評価で、米国遠征中5試合3得点と結果も残していただけに、今回の負傷離脱は残念でなりません。

 一方で明るい話題も。選手の大幅な入れ替えや指揮官交代で期待と不安が交錯するなか、今季の主将が10日に発表されました。アカデミー育ちの右MFリース・ジェイムズが重責を担うことになりました。6歳で下部組織に加入したジェイムズにとってブルーズで主将を務めるのは、2018年にU-18チームでFAユース杯優勝に貢献したシーズン以来のこと。「過去ここには偉大なキャプテンがいたので大きな仕事になるのは理解しているが、とても興奮している。この役割と責任を引き受けることが出来てとても嬉しい」と話しました。ポチェッティーノ監督も「これは私とクラブが下した決定だ。クラブに対する彼の献身性はプレシーズンから明らかだった。彼自身のアプローチとアイデアでチームを率いることに挑戦してくれるだろう」と期待しています。

 一朝一夕で建て直すのは極めて困難であるのがフットボールの世界ですが、新生ブルーズがかつての輝きを取り戻せるのか。今季の注目の一つです。

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