アーセナルは“GKを使い分ける”チームを目指す? ラジャの初スタメンをめぐって批判も

エヴァートン戦に先発したラジャ photo/Getty Images

英著名ジャーナリストは納得せず

プレミアリーグ第5節でエヴァートンと対戦し、1-0と勝利したアーセナル。攻撃にスムーズさを欠き、圧倒したとは言い難い試合展開ではあったが、2017年以来勝利できていなかった敵地グディソン・パークでの勝点3は大きく、次節のノースロンドンダービーに向け弾みがついたことだろう。

この試合で、初めての先発を飾ったのが今季加入のGKダビド・ラジャだ。ラジャは落ち着いたビルドアップとセービングでチームの勝利に貢献。『Whoscored.com』によれば、ラジャのパス成功率は94%を記録している。

しかし、熱烈なアーセナルファンとしても知られる英ジャーナリストのピアーズ・モーガン氏は、正GKのアーロン・ラムズデールをいきなり外したことに納得がいっていないようだ。ファブリツィオ・ロマーノ氏のXの投稿を引用する形で意見を表明した。

「ラムズデールがスタメン落ちするようなことをしたのか理解できない。ハフェルツはわかるが……。しかしラムズデールは私たちにとって、ずっと素晴らしかったのに。なぜ彼を辱めるのか?」

英『Daily Mail』が伝えたところでは、ミケル・アルテタ監督は試合に先立ち、次のようなコメントを残している。

「このポジションに、異なる特長をもった質の高い選手が2人いるチームになりたいと言ったと思うが、今はそれができている」

「それを最大限に活かすためには試合をする必要がある。これからたくさんの試合が控えているが、それは我々がローテーションする他の選手と同じで、彼らは今後数試合で多くの試合時間を得るはずだ」

ラムズデールは昨季、リーグ戦38試合にすべて先発。正守護神の地位を確立しチームの2位フィニッシュに貢献した。そこへ、ブレントフォードから買取オプション付きの条件で正守護神レベルのGKが新たに加入したことは賛否を巻き起こしていた。

ビッグセーブでチームを鼓舞するラムズデールと、正確な繋ぎを持ちビルドアップにも貢献するラジャ。GKを使い分けるチームというのは特にプレミアリーグレベルではあまり例がないが、アルテタはそんなある種のタブーにも挑戦しようとしているのかもしれない。ビッグクラブとの決戦ではラムズデール、勝点を確実に取りたい相手にはラジャ。そんなふうに使い分けることができれば理想だが、当然そこにはリスクもある。モーガン氏は今回のラジャ起用はラムズデールにとって侮辱ではないかと見ているようだが、選手のメンタルケアは確かに難しいものになるだろう。

次節はトッテナムとのノースロンドンダービー。ミッドウィークにはCLのPSV戦も控えるアーセナル。果たしてアルテタはどちらの守護神を選ぶのか。シーズンはまだ序盤だが、これからGKの人選がどのように行われるのか注目だ。

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