前半戦から欧州は衝撃の始まり リヨン、シャルケ、アヤックスら名門が勝てない危機的状況に

シャルケはドイツ2部でも大ピンチ photo/Getty Images

順位表には信じられない光景も

今季の欧州サッカー界は序盤から荒れ模様だ。大苦戦を強いられている名門クラブが少なくないのだ。

今回『ESPN』はクラブの『危機レベル』を5段階で評価しているのだが、最も危険なレッドゾーンの5点と評価されたのがフランスのリヨンとオランダのアヤックスだ。

どちらも名門クラブだが、リヨンはリーグ・アンで降格圏となる17位、アヤックスもエールディヴィジで16位に沈んでいる。リヨンは国内リーグで0勝、アヤックスも6試合で1勝のみとなっているのだから衝撃が大きい。

両クラブに共通するのが主力流出で、リヨンは今夏もFWブラッドリー・バルコラ、DFカステロ・ルケバ、MFフセム・アワールらが退団。

アヤックスは毎年のように主力を引き抜かれており、今夏もMFモハメド・クドゥス、エドソン・アルバレス、デイヴィ・クラーセン、DFユリエン・ティンバー、FWドゥシャン・タディッチらが退団。その穴埋めが思うように進まなかった。

さすがに降格圏に沈むほどの戦力ではないはずだが、今のところ浮上の兆しが見えない。

両クラブに次いで悪い4点の評価を受けたチームでは、イングランドよりマンチェスター・ユナイテッド、スペインよりビジャレアルに注目だ。

マンUは昨季エリック・テン・ハーグの下でトップ4フィニッシュを果たしたが、今季は開幕からFWジェイドン・サンチョとの衝突などネガティヴな話題が続き、現在はリーグで10位と平凡な位置に甘んじている。

中盤では守備的MFカゼミロのパフォーマンスレベル低下が指摘されており、フレッジの退団もダメージだ。新戦力のFWラスムス・ホイルンドには期待が持てるが、マーカス・ラッシュフォードが未だ1ゴールと低調なことは気がかりだ。得点を奪う武器が少なく、ホイルンド依存となるのは危険だ。中盤戦へテン・ハーグが攻撃の引き出しをどう増やしていくか注目で、テン・ハーグ体制でも上手くいかないとなれば厳しい。近年は短期的な監督交代が続いており、これでは再びのプレミア制覇へ道筋が見えてこない。

ビジャレアルはリヨン、アヤックスと同様に補強が上手く進まず、リーガ・エスパニョーラで16位に沈んでいる。昨季は5位と躍進したのだが、今季はスロースタートだ。

こちらも主力流出の影響が大きく、FWニコラス・ジャクソン、サミュエル・チュクウェゼ、DFパウ・トーレスらが退団。現時点では攻守の軸が定まっていない印象だ。

ドイツ2部では、元日本代表DF内田篤人が所属していたシャルケが3点の評価を受けている。

内田が在籍していた頃はチャンピオンズリーグ決勝トーナメントにも進むドイツの強豪だったが、現在はブンデスリーガ2部で16位に沈んでいる。昨季1部から降格してしまったのだが、さすがに今季2部で2勝1分6敗のスタートになるとは予想外だったか。1部昇格どころか、さらなる降格を警戒しなければならない状態だ。

いずれもサッカーファンの間では馴染み深いクラブだが、ここから浮上できるのか。序盤は悪い形で注目を集めている。

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