首位だけど好調には見えない!? 今季のアーセナルはどうなっているのか 「セカンドアルバムを作るのに苦労しているよう」

アーセナルを率いるアルテタ監督 photo/Getty Images

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見通しは明るい

ブレントフォードを1-0で下し、単独首位となったアーセナル。今季はまだ1敗しかしておらず、20年ぶりのリーグ制覇にも期待がかかるシーズンとなっている。

しかし、アーセナルはそれほど好調だろうか。ブレントフォード戦でも終盤まで得点を挙げるのに苦労し、カイ・ハフェルツの高さを活かすというオールドマナーなやり方でなんとか勝ち点3をもぎとった。総得点27は8位のブライトンよりも少なく、5-0で勝利したシェフィールド・ユナイテッド戦にしても前半は寂しい出来だった。成績は変わらず素晴らしいが、昨季ほどの勢いが感じられないと思っているファンも少なくないのではないか。

英『the Athletic』は、まるで難しいセカンドアルバムを制作しているようだと表現している。ミュージシャンがファーストアルバムをヒットさせた場合、より進化し充実したセカンドアルバムを生み出すのに苦労し、迷走することもある。今のアーセナルはまさにそんな状態だというわけだ。
確かに、「どこからでも点が取れるチーム」と表現できた昨季に比べて、今季は「どこから行っても点を取るのに苦労するチーム」と呼んだほうがしっくりくる。対戦相手はアーセナルに対し徹底的にスペースを埋めてプレイしにくくなるよう対策しており、ガブリエウ・ジェズスもガブリエウ・マルティネッリもいまだリーグ戦1得点にとどまっている。

今季は新戦力を加え万全の体制になったはずだったが、新たな問題も浮上した。MFカイ・ハフェルツはフィットせず、GKダビド・ラジャの台頭でもうひとりのGKアーロン・ラムズデールはパフォーマンスを落とした。ミケル・アルテタ監督も明らかに開幕から試行錯誤しており、トーマスを右サイドバックに使ったり、インサイドハーフにさまざまな選手を置いてみたりと実験を繰り返している。

それでも見通しは暗くない。ハフェルツには待望のオープンプレイからのゴールが生まれ、彼がもたらすものが何なのかが明確になってきた。ファンからのサポートは昨季と同じく熱烈で、ホームでは無敗。エミレーツ・スタジアムは堅固な要塞となっている。

昨季よりも守備に軸足を置いているとも考えられ、失点が10とリーグでもっとも少ない。ガブリエウ・マガリャンイスとウィリアム・サリバの両CBの前にMFデクラン・ライスを置くことができる陣容はまちがいなくプレミア屈指だ。

ここに前線が最高のハーモニーを加えることができれば、素晴らしいセカンドアルバムが完成するのだろうか。ともかく首位であることは事実で、これから進化した姿を見せてくれるのか、それともまた脆弱さを露呈してしまうのか、アルテタの手腕が問われることになる。

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