歴史は繰り返される? ドイツメディアが気にし始めた“ケインの呪い”

個人としては非常に好調なケイン photo/Getty Images

個人成績とチーム成績のねじれ

21日(現地時間)、バイエルン・ミュンヘンはブンデスリーガ第18節でブレーメンと対戦し、0-1で敗れた。この敗戦によって首位レヴァークーゼンとの勝ち点差が7に広がって今季のブンデスリーガ優勝に黄色信号が灯る中、ドイツ紙『Bild』は「バイエルンと不気味なケインの呪い」と題した記事を掲載し、今季トッテナムから加入したイングランド代表FWハリー・ケインにまつわるデータを取り上げている。
 
同紙は、ケインがこれまで抜群の個人成績を残しているにも関わらず、所属クラブや代表でタイトルを獲得していないことを“ケインの呪い”と表現している。実際、プレミアリーグでは得点王に3回(2015-16, 2016-17, 2020-21)輝いているがリーグ優勝の経験はなく、欧州のコンペティションでは2018-19シーズンにUEFAチャンピオンズリーグで決勝まで進んだが、同じプレミア勢のリヴァプールに敗れて準優勝。さらに、イングランド代表でも歴代最多62ゴールをマークしているものの、2021年に母国イングランドで行われたEURO2020決勝ではPK戦の末イタリアに敗れて準優勝に終わるなど、ケインはこれまで何度か訪れたタイトル獲得のチャンスをすべてあと一歩のところで逃してきている。
 
バイエルン加入1年目の今季も、ケインとチームの成績は一致しておらず、『Bild』はこのことも呪いの一例として取り上げている。ケイン個人は、ここまでリーグ戦17試合に出場して22ゴールをマークしていて、2020-21シーズンに当時バイエルンに所属していたポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキ(現バルセロナ)が達成したブンデスリーガの年間最多得点記録(41ゴール)を塗り替える可能性は十分にある。

しかしその一方で、バイエルンは昨年8月のDFLスーパーカップではライプツィヒに0-3で敗れて今季初タイトル獲得のチャンスを逃すと、国内カップ戦のDFBポカールでも昨年11月にドイツ3部ザールブリュッケンに1-2で敗戦して3回戦敗退。そしてブンデスリーガでは前述のとおり現在首位と勝ち点差7の2位。UEFAチャンピオンズリーグではベスト16に進出しているが、そう簡単に優勝できるレベルの大会ではないことを考えると、2011-12シーズンぶりとなるシーズン無冠の可能性も十分にあり得る状況となっている。
 
ケインとしては個人タイトルだけでなくチームタイトルも獲得することで、こうした周囲の評判を打ち消したいところだろうが、果たしてそれを今季達成することができるのだろうか。

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