CLよりもリーグ戦を優先すべき? 7位後退のソシエダに地元紙は警鐘「今シーズンの鍵は再び欧州出場権を獲得すること」
ホームでなかなか勝てないラ・レアル photo/Getty Images
パリ戦の前につまずく
夢の舞台ともいわれるチャンピオンズリーグ。実際、チャンピオンズリーグで優勝することが最重要課題であるチームも少なくない。しかし、それはビッグクラブに限っての話だ。中堅クラブはどうだろうか。
ラ・リーガ第24節、レアル・ソシエダはアノエタにオサスナを迎え、0-1で敗れた。
チャンピオンズリーグベスト16のパリ・サンジェルマンとの大一番を前につまずく形となったソシエダ。本拠地でもあるサン・セバスティアンの地元紙『noticias de Gipuzkoa』が印象的なメッセージを残している。
「憂慮や破滅的なメッセージを口にする者はいない。ラ・レアル(レアル・ソシエダ)が水曜日にチャンピオンズリーグのベスト16、パルク・デ・プランスで強豪PSGと対戦するのだから。しかし、クラブ内の懸念は潜在的なものであり、大きくなっている。彼らは大きな夢を見て、クラブ最大のコンペティションでタイトルを獲得できる、あるいは上位に進出するチャンスがあると信じているが、今シーズンの鍵は再び欧州出場権を獲得することである。プロジェクトの継続と進展は、それにかかっている。それ以上でもそれ以下でもない」
「来季、欧州の舞台に出場することができなければ、夏に何人かのスター選手を引き留めるのは非常に難しくなる。何人かは退団を望むだろうし、最悪の場合、クラブが売却せざるを得ない選手も出てくるかもしれない」
イマノル・アルグアシル監督も心のどこかで、リーグ戦であるオサスナ戦よりも欧州の舞台であるパリ・サンジェルマン戦に照準を合わせていたかもしれない。それは私たちも同じだ。実際、主力であるMF久保建英らを温存する可能性を示唆していたメディアもある。しかし、あくまでも、重視すべきは目の前のリーグ戦だったのかもしれない。同メディアは警鐘を鳴らしている。
「もちろん、ヨーロッパの強豪と戦うことはそうそうあることではないし、グループリーグ首位通過という歴史的快挙を台無しにしてはいけない。しかし、注意してほしい。パンとバター(糧)となるのはリーグ戦だ。無得点の試合があまりにも多い。結局、その代償が高くつくことは明らかだった。このチームは、パリのような世界の巨人の一角を相手にしても信頼される権利を獲得しているが、リーグのチームレベルで確固たる十分なポジションがなければ、スフレはかなり落ちる。オサスナはアノエタで勝つために十分なことをした。秩序ある守備をし、2度あったチャンスのうちの1つをものにし、勝ち点3を手にしたのだから。それが今のアノエタでの勝ち方だ。以前は、少ない経験でこのスタジアムから生きて出ることは不可能に思えた。しかし、エレーラ(オサスナGK)はレミーロ(マジョルカGK)と同じセーブを見せた。これですべてが終わった」
オサスナ戦に敗れたことにより、7位に後退したソシエダ。直近4試合でスコアレスドローが3つの3分1敗、さらに無得点でチャンピオンズリーグを迎える事態はわれわれが思っている以上に深刻なのかもしれない。
「ラ・レアルはアノエタでうまくいっていない。それは心配であり、不安なことだ。なぜなら、現実にはホームで楽しむことほどファンを幸せにするものはないからだ。誰もそれを忘れてはならない。そして、クラブから発せられるメッセージは穏やかなものだが、もし、ラ・レアルが来季ヨーロッパで戦わなければ、何も変わらないということを誰もが認識してほしい。こうして私たちはパリにたどり着く。残念だ」
チャンピオンズリーグを戦うためには、2チームが作れるくらいのスカッドが必要ともいわれる。しかし、すべてのクラブが潤沢な資金を持っているわけではなく、一部のビッグクラブを除いて2チーム分のスカッドを用意するのは困難に思える。中堅クラブにとっては欧州の舞台で好成績を残すことが重要ではなく、安定して欧州の舞台に出られること、リーグ戦と両立することの方が現実的な目標であり、重要なのかもしれない。