「北のウェンブリー」は本当に必要? 新スタジアム建設も噂のユナイテッドはアーセナルとトッテナムの失敗に学ぶべき

オールド・トラッフォードは現在でも大きなスタジアムだ photo/Getty Images

ユナイテッドには選択肢がある

ジム・ラトクリフ氏の共同オーナー就任によって、大規模な変革が期待されているマンチェスター・ユナイテッド。そのなかには、スタジアム改修計画も含まれているとされる。

このスタジアムの改修計画が、どの程度のものなのかが現在話題となっている。オールド・トラッフォードを再開発するのか、それとも敷地に完全に新しいスタジアムを建てるのか。サー・ジムはリヴァプールとマンチェスター・シティを、3年で「止まり木から突き落とす」と宣言したが、それは3年以内に大規模な改修が行われることを意味するのだろうか。

英『Daily Mail』はコラムで、ユナイテッドはアーセナルとトッテナムの失敗から学ぶべきだと指摘している。

アーセナルは05-06シーズンの終わりとともにエミレーツ・スタジアムへ、トッテナムは16-17シーズンの終わりにホワイト・ハート・レーンを離れ、ウェンブリー・スタジアムを仮の住まいとしたのちに18-19シーズンからトッテナム・ホットスパースタジアムへと移っている。

しかしロンドンの両クラブは、スタジアムを建設するために多額の資金を要し、選手補強などにも影響を及ぼした。アーセナルは主力を次々とマンチェスター・シティやバルセロナに引き抜かれ、アーセン・ヴェンゲルは苦しい台所事情でのやりくりを強いられた。トッテナムはマウリシオ・ポチェッティーノ政権の成功とともにリーグ制覇に届くかという勢いを見せたが、やはりスタジアム建設が財政を圧迫したために選手補強がままならず、結局タイトルを獲ることはなかった。

ただ、この2クラブの場合は選択肢がなかった。38500人のハイベリー、36000人のホワイト・ハート・レーンでは海外も含む他のクラブに財政的に対抗していくことは難しく、多数の観客を収容できる大きなスタジアムはビッグクラブにとって必須の神器であったからだ。

しかし、オールド・トラッフォードは現在でも74000人を収容するスタジアムであり、スタンドの一角を改装するだけで9万人規模の収容ができるように改装することが可能だ。同コラムではレアル・マドリードのサンティアゴ・ベルナベウが威厳を保ったまま改装することに成功しているという例を出し、大規模すぎるスタジアム計画を思いとどまるよう警告している。

「北のウェンブリー」を建設することに意欲を燃やすサー・ジムだが、それはもうあるではないかと同紙は指摘した。確かにノースロンドンのケースではチームの成績にまで影響を及ぼしてしまったが、ピカピカの新スタジアムは本当に必要なのだろうか。

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